IS夢小説

□第4章 甲龍《シェンロン》
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「ではこれよりISの基本的な飛行操縦を実践してもらう。
織斑、オルコット、須王。試しに飛んで見せろ」

四月も下旬、俺達は今日も鬼教官の指導を受けていた。

「早くしろ。熟練したIS操縦者は展開まで一秒とかからないぞ」

急かされて、ネックレスに意識を集中する、

(来い、黒色無双)

心の中で叫んだ刹那、ISが展開され、俺の体に装着される。

この間0・3秒……まぁまぁかな?

見ると、一夏の“白式”とセシリアの“ブルー・ティアーズ”も、展開が終わっていた。

「よし、飛べ」

言われて、飛ぶ。
急上昇して500メートル位の地点で止まる。

続いてセシリア、遅れて一夏が上がってきた。

「何をやっている。スペック上の出力は白式が上だぞ」

通信回線から一夏が怒られた。

『どうした一夏?特訓の成果をお兄さんに見してくれよ?』

「そう言っても、急上昇と急降下は昨日習ったばかりじゃないか。
イメージが掴めないよ……」

そうかな?

「一夏さん、イメージは所詮イメージ。
自分がやりやすい方法を模索する方が建設的でしてよ」

「そう言われてもなぁ。大体、これってどうやって浮いているんだ?」

『説明してもいいけど、長くなるぞ?』

「わかった。説明はなくて良い」

「一夏っ!早く降りてこい!」

いきなり回線から怒鳴られる。

地上を見ると、山田先生がインカムを箒さんに奪われ、おたおたしていた。

「しかし、すごいなこれ。遠くまではっきりと見えるよ」

同感だ。ここからの位置でも地上にいる一人一人のまつ毛までもが、はっきりと見えるのだ。

「ちなみに、これでも制限がかかっているんでしてよ。元々、何万キロと離れた星の光で自分の位置を把握するためですから」

さすがは優等生、丁寧な回答だ

『じゃあ、俺から降りるからな』

そう言って急降下で地面に向かって速度を上げ、地上十センチの所で停止する

「よし。次にオルコット、やってみせろ」

「了解です」

すると、すぐ横の方でセシリアが到着した。

『へぇ〜、上手いじゃないか』

「い、いえ。そんなお褒めになられることでは…」

『そう謙遜するな。ここは素直に喜んでおきなさい♪』

すると、下を向いて赤くなった。
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