IS夢小説

□第8章 夏休み
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〜第1部 children・panic〜

7月下旬。夏休み真っ只中。
気温は38℃と猛暑日。

『ッはぁ〜極楽極楽♪』

俺はエアコンの効いた自室でくつろいでいた。

さすがにこの暑さで特訓はしたくない。

本来、夏休み中は家に戻ったり、祖国に帰ったりするのだが、
さすがに家に戻りたくないし、束博士の研究所に戻ってもまたメンドクサイ事になるに決まっている。

コンコン

「須王君いますか?お届け物で−す」

ドアの向こうから山田先生の声が聞こえる。

『ん?お届け物?』

やはりそこは気になるのでドアを開ける。

ガチャ

「あ、須王君いましたか。良かったです。
はい、これがお届け物です」

そう言って小包を渡される。

『すいません、わざわざ』

「いえ、先生ですから。それでは先生は仕事があるので失礼します」

急ぎ足で去っていく。
よっぽど仕事の量が多いのだろう、心中お察しします。

(さて、誰からかな?)

表面には送り主が書かれておらず、中からはガチャガチャとビンが揺れる音がする。

開けてみると、そこにはスポーツドリンクと手紙があった。

とりあえず手紙を読む。

【ハロー、カイくん♪愛しのラブリィ束さんだよ☆
毎日忙しそうなカイくんのために束さんからのプレゼント!
なんと束さんお手製の《特製スポーツドリンク》をあげちゃいま〜す♪
どう?惚れ直した?感激した?
いやー、やっぱり――――】

その後は永遠とくだらない話ばかりなので読まないことにした。

(しかし、束博士からのプレゼントか……
ま、ありがたく頂きますか♪)

とりあえず一本取りだし一気に飲み干す。

途端、体が熱くなり激しい目眩に襲われた。

(な、なんだ……これ……?)

バタン

倒れこみ呼吸が荒くなる。
ちょうど目の前に落ちてきた手紙をよく読み返す。
すると、下の方に小さく注意書があった。

【PS・10本中9本は束博士が作った劇薬なので気を付けてね〜☆】

“気を付けてね〜☆”じゃねえーよ!
当りの確率が低すぎだろっ!

そのまま気を失った。―――ガクッ
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