フェアリーテイル夢小説
□第1章
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――ルーシィ目線――
(な、なに、この人!?)
先程まで目の前にいたグレイが、一瞬でカイトと呼ばれる男に変わってしまった。
エルザに注意されているが、まるで気にしていない様子だった。
(この人、スゴい!)
◇◆◇◆
「お前らいい加減にしないか!」
エルザの鶴の一声で騒ぎが沈下された。
「まったく……そうだ。ナツにグレイ、頼みたいことがある」
二人がビクッと身を振るわせる。
「仕事先で少々やっかいな話を耳にしてしまった。
本来ならマスターの判断を仰ぐトコなんだが、早期解決がのぞましいと私は判断した。
三人の力を貸して欲しい。ついてきてくれるな」
「え!?」
「はい!?」
辺りがざわざわと騒ぐ。
それにしても、エルザがそこまで言うなんて……何事だろう?
……ん?三人?
『あの〜、エルザ?三人ってことはナツとグレイの他に誰が?』
「決まっているだろう。もちろんお前のことだ、カイト」
『は!?』
さらにざわつきが大きくなる。
「出発は明日だ、準備をしておけ。
詳しくは移動中に話す」
それだけ言うと出ていってしまった。
どうやら拒否権はないらしい。
「エルザと……ナツと……グレイと……カイト……
今まで想像した事もなかったけど……これって妖精の尻尾最強チームかも……」
ミラが人知れず呟く。
それよりも気になっていることがあるのだが……
『そう言えば、君は誰?』
目の前には金髪のナイスバディの女の子がいた。
こんなメンバーうちにいたっけ?
「あ、わ、私、新人のルーシィといいます。
こ、これからよろしくお願いします」
『へぇ〜、ルーシィか。
俺はカイト・フォーカス。カイトでいいよ♪』
「ルーシィはね期待の新人なのよ」
ミラがイタズラっぽく微笑む。
「み、ミラさん!?」
『そうなのか?なら、戦闘は全てルーシィに任せた♪』
「任せないで!」
すばやくツッコミが入る。
『お、おお!これは……』
「ね♪このツッコミは期待できるでしょ」
「期待ってそっちですか!?」
「『うん♪』」
ルーシィがガクリとうなだれる。
「ぷぷっ!ルーシィってそれだけしか求められてないんだね」
「うるさいわよ、ドラ猫!」
ハッピーの追撃にルーシィが切れた。
『アハハハ!それじゃ、俺は返るね♪』
「あら、そう?迷わないように気をつけてね」
迷うって……俺の借りてる家は妖精の尻尾のすぐ近くだぞ?
迷うはずはない。
『それじゃあね』
こうして騒がしいギルド【妖精の尻尾】をあとにする。
この後、家にたどり着いた頃には真夜中になっていた。