フェアリーテイル夢小説
□第4章
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村に戻ると、どうやら問題は解決したらしく、宴が開かれていた。
だが、どうもおかしい。
問題が解決したのなら村の人々は元に戻るはずだ。
なのに、なんで―――
『悪魔のまんまなんだ?』
そう、目の前にいるのは人ではなく悪魔の集団。
なぜだか全員が楽しそうに笑っている。
「あ、カイト。いままでどこにいたの?」
『あ…ルーシィ』
悪魔の集団から現れたのはルーシィだった。
なにか食べたのだろう、頬には汚れがついている。
『え、え〜〜っと……なにこれ?どうなってんの?』
「あ、なんだか月の雫で起こった現象は自分を人間だと思い込む記憶生涯なんだって。
だから人間だったリオンたちには効かなかったみたいなの」
『へぇ〜……それにしても悪魔か……なんか信じられねぇな』
【それをお前が言うか……】
『うるさい……黙ってろ』
突然頭のなかに響いた声を黙らせる。
声は素直に承諾してくれたようで、すぐに聞こえなくなった。
「?なにか言った?」
『……ルーシィもよくこんな状況に驚かなくなったな〜って言ったんだよ♪』
「いや、初めはそりゃ驚いたわ。でも、案外いい人ばかりなの」
悪魔をいい人と言っていいのかどうかはとりあえず置いておこう。
『それより、エルザたちは?』
「あ、そうそう。エルザから伝言があるの」
エルザから伝言?なぜだろう、すごく嫌な予感がする。
「えーっと、“勝手にいなくなった罰として、私が満足するまで料理を作れ”だって」
『さらば!!!』
急いでその場をあとにしようとするが、その先には運悪くナツとグレイが待ち構えていた。
『わぁぁぁぁぁぁぁぁ!!離せ―――!!!』
「お、落ち着け、カイト」
「そうだ、ただ料理を作るだけなんだろ?」
お前らは知らないだろ!!あいつの食う量はハンパじゃないんだ!!
作るこっちの身にもなりやがれ!!!!
「ほら、行くぞ」
「あんま暴れんな」
『や―――め―――ろ――――――!!!!』
そのままズルズルと調理場に引きずられていく俺。
逃げ出そうとしたがエルザに見つかり結局作るはめとなった。
エルザが満足したのはそれから3時間後のことで、結局俺はなにも食べれずに寝てしまったのだった。