フェアリーテイル夢小説
□第5章
1ページ/7ページ
〜マグノリアの街〜
「帰って来たぞ―――!!!」
「来たぞ―――!!!」
街につくなり、ナツとハッピーのテンションが上がった。
正直うるさい……
「しっかし、あれだけ苦労して報酬は鍵1個か……」
グレイは納得がいかないようで、まだ少し愚痴っている。
まぁ、それもしょうがない。結局報酬の700万Jはエルザが断り、追加報酬の鍵だけを受け取ったのだ。
その鍵はと言うと、どうやら黄道十二門のひとつらしく、ルーシィがありがたく受け取っていた。
ちょっと納得できないよなぁ……。
だが、ここで抗議しても無意味なことを俺は知っている。
『そう言えば、今回貰った鍵はどんなのなんだ?』
「人馬宮のサジタリウス♪」
ルーシィはうきうきとして答えてくれた。
それにしても人馬か……
『うまそうだな……』
「Σ食べちゃだめだからね!!」
毎度のことながらルーシィの素早いツッコミが入った。
すると、前方を歩いていたエルザが急に立ち止まった。
「さて……早速だが、ギルドに戻ってお前たちの処分を決定する」
この一言によって皆のテンションが下がった。
「私は今回の件については概ね海容してやってもいいと思っている」
おお、エルザがいつになく優しい。なにか心境の変化でもあったな。
『でも、判断するのはマスターだからね〜。あ、当然俺は弁護する気はないよ』
「それは私もだ。それなりの罰は覚悟しておけ」
またこの一言で皆が騒ぎだした。
「まさかアレをやらされるんじゃ!!?」
「ちょっと待て!!!アレだけはもう二度とやりたくねえ!!!」
「アレって何―――!!?」
ただ一人、楽観的なやつがいた。それはナツだ。
「気にすんな。“よくやった”って誉めてくれるさ、じっちゃんなら」
どこからその自信は沸いてくるのだろうか?不思議でたまらない。
だが、その自信もエルザによって無惨に打ち砕かれた。
「いや……アレはほぼ決定だろう。ふふ……腕がなるな」
そう言うエルザはホント嬉しそうだった。
そう言う俺も楽しみなわけだが♪
「いやだぁ―――!!!!アレだけはいやだ―――!!!」
『ハハ♪逃がさないよ、“黒い衣”』
逃げようとするナツを縛り上げ連行する。
グレイとハッピーはすでに諦めたらしく、トボトボと暗い顔で歩いていた。
「だから、アレって何―――!!」
なにも知らないルーシィは問いかけるように叫んでいたが、誰も答えなかった。
ギルドの異変に気がついたのはそんなときだった。
「何だ……?ギルドの様子がおかしい…」
「な…なに?」
「これは……」
『嘘だろ……』
皆唖然として息を飲んだ。
目の前にあるのは巨大な鉄柱が何本も刺さり、無惨な姿となった妖精の尻尾のギルドがあった。
「誰が……!!!」
ナツは悔しさのあまり、涙を浮かべていた。
『俺たちが留守の間になにが……』
「ファントム」
突然聞こえた声の方向を見ると、そこには悲しそうなミラちゃんがいた。
「悔しいけど……やられちゃったの……」