フェアリーテイル夢小説

□第7章
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『ジョゼ―――!!』

ドアを蹴破り中を確認するが、そこにはだれもいない。

『チッ、ハズレか……』

ならばと思い、次の部屋のドアも蹴破るがそこもハズレだった。

『あー、もう!!どこだよ、ジョゼ!!』

さっきからずーっと探してんのに、全っ然見つからない。それどころか、人一人見つからない。

(まったく……どこにいるんだ?)

そんなことを考えていると、突然上の階から悪寒を感じた。

直感的にこれがジョゼの魔力だと感じる。

『なんつー魔力だよ……こんなに距離があるのに、吐き気がしそうだぜ』

だが、お陰で場所は掴めた。

『ジョ―――ゼ―――!!!!』

魔力をたどり、着いた場所は開けた部屋。

そこでは、エルザとジョゼが闘っていた。
側にはギルドにいるはずのミラちゃんと、傷ついたグレイとエルフマンがいる。

そのとき、エルザがジョゼの魔法に捕まった。

「ぐああぁあああっ!!」

捕まったエルザはもがき苦しんでいる。

『ジョゼェェェェェェ!!!』

気がつけばジョゼに突っ込んでいた。

「!?」

予想外の出来事に驚きを隠せないジョゼ。
その懐に入ると、脚に“混沌の鎧”を纏いそのままジョゼの横腹を蹴った。

だが、それはぎりぎり受け止められた。

「甘いですよ、道化」

『甘いのはてめぇだよ……“混沌の衝撃”《カオス・インパクト》!!』

脚から放たれた衝撃は、ジョゼを簡単に吹き飛ばした。

『“影の処女”《シャドー・メイデン》!!』

ジョゼが壁にぶつかる直前、地面から生えた鉄の処女に酷似したものがジョゼを捉えた。

『大丈夫か、エルザ?』

急いで駆け寄ったエルザの体はボロボロだった。
ジュピターの分を差し引いてもかなりの傷だ。

「私は大丈夫だ。それより、グレイとエルフマンは……」

「ふたりとも大丈夫よ」

そう言うミラちゃんの顔には安堵が漏れている。

『そうか……なら、早くこの場から離れろ』

「!!?」

エルザが明らかに不服の表情を浮かべるが、構わず続ける。

『体はボロボロ、魔力も底をつく寸前……そんなやつが闘えるわけないだろ』

「わ、私はまだ……」

『いーから従え。正直お前ェらを庇いながら戦える自信はねぇ』

「エルザ、カイトの言う通りよ。今の私たちじゃ足手纏いになるだけだわ」

「……わかった。だが、必ず勝て。それだけは約束してもらうぞ」

『ふん、まかせとけ!!』

エルザはグレイとエルフマンを担ぎ上げると、その場を去っていった。

……やっぱ、あいつ大丈夫かもな。

エルザたちが完全に立ち去った瞬間、“影の処女”が内側から弾けた。

中から出てきたジョゼは余裕そうに笑っている。

『なんだ、待っていてくれたのか?』

「ええ……道化と妖精女王を同時に相手をするほど、私は愚かではないのでね」

『ふーん……』

「それに、ジュピターのダメージが残っている妖精女王を倒しても何の価値もありませんしね」

『へぇ〜……』

「それにしても、君はとても素晴らしい魔力を持っている。
どうです?今からにでもファントムに……」

『悪ィが、断らせてもらうぜ。俺の居場所は妖精の尻尾だけだ』

「そうか、それは残念だ……」

『チッ!いい加減にしやがれ。こっちはくだらねぇお喋りするために来たんじゃねぇんだよ!
来ねぇならこっちから行かしてもらうぜ!“混沌の道化師”!!』

“混沌の道化師”を身に纏ったと同時にジョゼとの距離を詰める。

『“悪魔の手”!!』

巨大化した右腕をジョゼに向けて振り下ろすが、それは簡単にかわされてしまう。

だが、それは予想していたこど。

『“混沌の爪”!!』

左腕からの衝撃波はジョゼを捉えた。

だがジョゼが不適な笑みを浮かべた次の瞬間、俺の左肩をジョゼの魔法が貫く。

『くっ!!影絵―――“影の断頭台”!!』

負けじと断頭台を形成するが、刃が形成された途端、破壊された。

(だったら……)

『影絵―――“拳”、“猫”、“処女”、“断頭台”!!』

次々と繰り出される影絵。それを悠々とかわすジョゼ。

最後の“断頭台”がかわされた瞬間、ジョゼの魔法にとられたのだった。
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