フェアリーテイル夢小説
□第8章
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『ん……ここは……』
目が覚めると、オレンジ色の空が見えた。
当たりを見渡すと瓦礫の山……よくみると妖精の尻尾のマークがある。
つまり、崩れたギルドの廃材にもたれかかって寝てたのか。
『ハデにやられたなぁ……』
「あ、カイト。大丈夫?」
気がつけば目の前にハッピーがいた。
『おう、ハッピー。今どんな状況?』
「あい!みんなマスターの話を聴いてるよ」
ハッピーの指さす方には人だかりがあった。
それはよく見れば全員妖精の尻尾の家族たちだ。
距離が遠くて聴こえにくいが、どうやらじいちゃんが何か喋ってるみたいご様子で。
とりあえずここで聴くのも何だし、もっと近くに行きますか。
「カイト、大丈夫なの!?」
『おう、大丈夫だ』
まぁ、正直行ってよろよろと立ち上がった人間が大丈夫なわけない。
けど、そんなことは気にしない、気にしない♪
輪の最後尾までたどり着くと、じいちゃんの声がより鮮明に聴こえてきた。
「ルーシィ。楽しい事も、悲しい事も、全てとまではいかないが、ある程度は共有できる……それがギルドじゃ」
(じいちゃん……)
姿は見えなくても、声だけでもわかる。じいちゃんはルーシィを責めていない。
「一人の幸せはみんなの幸せ……一人の怒りはみんなの怒り……そして、一人の涙はみんなの涙。
自責の念にかられる必要はない。君にはみんなの心が届いてるハズじゃ」
ああ、そうか……ルーシィは今回の件を自分のせいだと背負い込んでるんだ……。
(バカだな、アイツ……)
今回の件は誰もルーシィのせいだと思っていないだろう。
だってルーシィは―――
「君は妖精の尻尾の一員なんだから」
……なんかじいちゃんに台詞を取られた気がするが……。
だが、堪えかねたルーシィは大泣きしていた。
みんなはなぜたか安心したように笑っている。
『ホント、なんでだろうねぇ〜』
だが次いで聴こえてきたのは、じいちゃんの泣き声……台無しだよ。