フェアリーテイル夢小説

□第2章
2ページ/10ページ

「う、うぷ!」

発車3秒でナツの顔色が悪くなる。

そう、この先程まで威勢が良かったナツは、乗り物に弱いのだ。

「なっさけねえなぁ、ナツはよォ。
うっとおしいから、別の席に行けよ。つーか列車に乗るな!走れ!!」

グレイの発言にも反抗できないくらいに弱るナツ。

毎度のことながら辛そうだ。

「まったく、しょうがないな。私の隣に来い」

「あい……」

エルザの隣に座っていたルーシィは速やかにナツと場所を変わる。

手のかかる弟を見る顔をしていたエルザが、突然ナツの腹を殴る。

「少しは楽になるだろう」

殴った本人はそう言っているが、ナツは白目をむいて倒れた。

うん、ご愁傷様でした……
心の中で静かに手を合わせる。

「そう言や、あたし、妖精の尻尾でナツ以外の魔法見たことないかも」

『ん?突然どうしたんだ、ルーシィ?』

「いや〜、ちょっと気になって……
エルザさんはどんな魔法を使うんですか?」

「エルザでいい」

「エルザの魔法はキレイなんだよ」

エルザの変わりにハッピーが答える。

「血がいっぱいでるんだ。相手の」

「キレイなの?それ」

『キレイなんじゃない?景色がいいとよく映えるし』

「たいした事はない。
私はグレイの魔法のほうが綺麗だと思うぞ」

「そうか?」

話をふられたグレイは右手を開き、その上に左手拳を置く。

左手を開くとそこには、氷でできた妖精の尻尾の紋章ができていた。

「わあっ!!!」

「氷の魔法さ」

『相変わらず、お前に似合わないな♪』

「ほっとけっての」

するとルーシィがナツとグレイを交互に見て、何かに気づいた。

「氷!火!だからアンタたち仲が悪いのね!」

「そうだったのか?」

『単純すぎるな』

「う、うるせぇ!どうでもいいだろ!?そんな事ァ」

グレイが軽くふてくされる。

「なら、カイトの魔法は?」

『ん?俺のは説明がめんどくさいからな。
そう言うルーシィの魔法は?』

「あたし?あたしは“精霊魔法”よ」

そう言って腰にあるホルダーから鍵を取りだし見せる。

『へぇ〜、何体持ってるんだ?』

「五体よ。その内三体は“黄道十二門”よ!」

少し自慢気に胸を張る。
それにしても、妖精の尻尾の女連中はなんでこんなにもスタイルがいいんだろう?

「ん?どうしたの、カイト?顔なんか赤くして」

『い、いや!なんでもない!
そ、それより、そろそろ本題に入ろうぜエルザ。
お前ほどの奴が力を借りたいなんて、一体何事だ?』

「そうだな、話しておこう。
先の仕事の帰りだ。
オニバスで魔導士が集まる酒場に寄ったとき、少々、気になる連中がいてな……」

話しによると、がらのわるい四人組がララバイの封印が解けないだのなんだのと言っていたらしい。

だが、その中の一人が三日以内にララバイをエリゴールと言う人物の下へ持ち帰ると言っていたらしい。

これは、これは……怪しすぎだろ。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ