□言わせてみてぇもんだ
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なぁ
お前に俺って
ぶっちゃけた話し
必要?
俺しかお前にしてやれない事って
あるんだろうか
ないんだろうな
だから何か一つでもって
もがいてみてもうまくいかねぇなぁ…
でもな
どうしようもなく「必要」だって
言わせてみてぇんだよ
なぁ言ってみてよ?









あいもかわらず万事屋は暇だ。
たまに仕事や事件があるが今日はなんにもない。
新八は昼ご飯を作って、神楽はそれを食べて遊びに出掛けてしまった。
新八は部屋の掃除をして洗濯機を回している。
「たまには手伝おうかなとか思いませんか?」
掃除機をかけおわった新八が俺の目の前にさっき洗ってた洗濯物を置いた。
「手伝いましょうか?」
そのカゴを抱えて立ち上がる俺に驚いたのか新八は歩き出す俺についてきた。
なんかこれ新鮮だな。
新八が俺について来るってあんまないな。
なんか…いいな。
「銀さんどうしたんですか?洗濯物なんて干したことないじゃないですか。」
なんでそんな不安そうなんだ?
嬉しくねぇの?
俺は無言で洗濯物を干した。
まぁ…うん。多分干せた。
「銀さんだってな、やろうと思えば出来るわけよ。な?」
確かに褒められたもんじゃないが今日は風が強いし乾くんじゃねぇ?とか思ったけど言わなかった。
「…」
新八は黙り込んで俺の着物の裾を掴む。
あれ?おかしいな。
ここは銀さんすごいですね!って…やっぱり銀さんが僕には必要です!って。
…まぁなるわけないよな。
「新八?もしかして怒った?干し方が気に入らなかった?」
こんなに可愛くて家事も出来て。
でも誰より強い意志を持ってる新八は俺になんかいつ愛想をつかしてもおかしくない。
いや、ほんとは愛想なんか早いとこつかせてくれた方がいいんだ。
じゃないと俺は手放せない。
こんな俺なんかに新八は勿体無い。
「銀さん…」
見上げてくる瞳は輝いて見える。
俺のそれとは月とすっぽんだ。
わかってる。
でも俺はダメな大人だから。
新八を愛してるから出来ない。
俺から手放すなんてこと世界が終わってもありえない。
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