□迷いなく
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聞いて?気付いて?言って?
聞かないで気付かないで言わないで
もうただ愛しい
苦しい苦しい苦しい
愛してる
夢でいい夢ならいい
嘘でいい嘘でもいい
ただ
苦しい苦しい苦しい
愛してる


迷いなく







「痛い…」
「ツナ?」
「10代目?」
学校の昼休み。
獄寺と山本と沢田綱吉は3人で一緒に昼食をとっていた。
ふと小さい声で沢田が漏らした言葉に獄寺と山本は心配そうに顔を覗き込んだ。
「どこかケガでもしたのか?」
山本は沢田の肩を掴み頭から足まで見る。
慌てて沢田は首を横に振って笑って見せた。
「ごめん‼大丈夫‼独り言だから‼」
「でも10代目最近なんか元気ないっすよ。何かお悩みならこの俺に‼」
山本の腕を乱暴に振り払って獄寺が言った。
山本は振り払われた手をそのまま獄寺の首に回していつものように沢田に笑った。
「まぁツナ最近なんか辛そうだぜ?俺と獄寺に相談してみな?ツナの為ならなんだってするから。」
俺もこいつも。と言いながら獄寺を指差す。
獄寺は山本に怒りながらも沢田には笑顔で頷いた。
「ありがとう‼」
沢田はそんな2人に笑顔で返したが、その笑顔が少し泣きそうに見えた。

「痛い…なんで?」
放課後、沢田は応接室の前に立って呟いた。
胸を押さえて苦しそうに。
山本は部活に行き獄寺は今日からダイナマイトを仕入れにイタリアに行くらしい。
どちらにせよこの応接室に来る時は沢田はいつも1人で来た。
中で待っているのは風紀委員長の雲雀恭弥。
沢田が愛する恋人だった。
沢田が好きになり押して押してなんとか恋人になれた。
だが最近雲雀を思うと胸が痛む。
朝も昼も夜も。
1人でいる時も友達といる時も。
そして雲雀と2人でいる時も…
ドアを開けようかと手をかけた時もズキンと胸が痛んだ。
「失礼します。」
緊張した声で応接室に入る沢田。
だが部屋にいたのは雲雀ではなかった。
「沢田さん。すみません。今ちょっと委員長は席を外してまして…」
代わりにいた草壁が沢田をソファに座らせた。
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