モンスター
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__白鳳よ…白き羽を持つ娘よ…
__目覚めよ…
__我はお見守りするものなり…
__予は世界をおさめるものなり…
『ん…っ』
目覚めの悪い朝。
私、冴咲桜花は最近変な声を聞く。
決まって私が寝てるとき、夢の中で。
暗闇の中声だけが響いてる。
不思議な夢だけどまぁ気にしないでおこ。
気にしたら私とことん気にしちゃうから。
『はぁ…顔洗ってこよ。』
ベッドから立ち上がり、洗面台へ向かった。
今日から春休みで学校休みだからゆっくりできる〜とか思いながら顔を洗い、鏡を見た。
『えっ!?』
見た瞬間、私は声をあげてしまった。
鏡が…鏡がの中が!
『う、動いた…?』
鏡がゆらって!私がゆらゆらして動いた…はず。
いや、待てよ?
そんなの現実にあるわけない。
あー私目が疲れてるんだ。
『ないない。』
私はさっさと顔を拭いてリビングに行った。
鏡に背を向けたとき、鏡の中が揺れたなんて私は知らなかった。
リビングに入るとお母さんとお父さんはいなかった。
ふと机を見ると紙が一枚あった。
手にとって見て私は心の中でびっくりした。
【一週間ハワイ旅行に行ってきます☆ご飯は冷蔵庫の中のを勝手に使って作ってね。料理一丁前なんだからできるでしょ☆あと、ふんぱつしてお小遣い、二万置いてるからね!
お母さん、お父さんより】
……ふざけてますよねこの人たち。
娘も連れて行ってよ〜…。
『はぁ…仕方ないなぁ。』
せっかくの休みだしゆっくりしてきてもらおう。
そう思って冷蔵庫を開けた見た。
『ありすぎ…。』
中はいろんな食べ物で溢れかえっていた。
私はその中から卵と何種類かの野菜を取り出した。
こう見えても料理得意だからね、私。
けどめんどくさいので卵焼きと野菜炒めでいいや。
時間を使って作って、机に運んだ。
ご飯をついで椅子に座る。
え、寂しっ…。
まぁ仕方ない、そう思ってテレビをつけてご飯を食べ始めた。
『ふーん…今日晴れなんだ。良かった。』
雨だとテンション下がるし。
あ、今は一人だからこんなに静かなんだよ?
友達とかお母さん、お父さんといる私はもっと違います←