ALO:SUGUHA-一途な想いをあなたに

□束の間のしあわせ
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夏の剣道全国大会に向けて部活に励んでいる直葉、道場の中で部長の笹田が渇を入れてる。
「8月の全国大会に向けてメンバーを決めます、呼ばれた方は前に出てね!?」
そしてメンバーの名前が言われた。
「桐ヶ谷直葉 新井萌恵 笹田結衣 高橋政美 金田菜緒でいくことにします」
「あの〜私が何故?」
そう言ったのが新井萌恵だ。
「貴女は1年生でありながら、剣道のスキルも高いからレギュラーに入れたのよ…」
「でも3年生が他にいるし…」
「ベストメンバーで出るの!卒業間近のお情け出場はさせたくないし」
「…」
「勝つ前提で出るということですね」
「そうよ桐ヶ谷さん!男子剣道部にも目にものを魅せておかないとね♪」
ここの男子剣道部は、女子よりも貧弱でベストメンバーが集まらなかった3年間が酷い結果になっていた。
「じゃいつもの外でランニング!!」
部員全員道場を飛び出して行った。

同高校のサッカー部
グランドの隅で寝転がり女子剣道部がランニングしてるのを見てた。
「直葉か…」
直葉も郷田の視線を感じたか、走りながらチラチラ見てた。
だがそれと並んである女子剣道部員を見てた。
「郷田!のんきに寝てるな、練習試合やるぞ」
監督の
激が飛ぶ。
「はーい」

所変わり和人達がいる高校。
放課後にベンチで横たわり寝ている和人、そこに篠崎里香が声をかけた。
「こんな所で寝たら夜になっちゃうよ」
「ア〜里香か…なんか用かな?」
「これからカラオケ行こうって、明日奈と私といつものメンバーで…行くでしょう?」
「おっ!良いね〜行こうか!」
「そうこなくっちゃ」
和人と里香は明日奈の所へ歩いて行った。

剣道部員が道場に戻り、素振りの練習に入った。
直葉を含む数人が1人1人指導していた、直葉は新井1人だけ指導していた。
「新井さん…こうに…」
「……」
新井は直葉に言われながら、渋々素振りを繰り返す。
「違うから…こう!」
「いい加減にしてください!!何度言われても、これが私のベストポジションなので…」
「私は何もそこまで…」
新井は直葉を睨んでいた、
また1人で素振りを始めた新井。
「わ…分かったわよ…じゃ、任せるわ」
納得せずに新井から遠ざけて他の部員に指導する直葉、直葉に背を向けながら一心不乱に素振りをする。

部活も終わり片付けをしていた時新井が居なくなったのを気付いた直葉、部長の号令の後部員達と一緒に更衣室に向かう。

更衣室に入ると既に新
井の姿がなく帰ったと思う直葉だった、皆が着替え始めている時ロッカーを開けると直葉の制服が乱雑になっていて中のフェイスミラーとロッカーの空いてる所にルージュで殴ったように落書きされてた。
死ね
ウザイ
マイナスな言葉がこれでもかと書いてあった。
「…酷い…」
「どうしたの?直葉ちゃん」
「ん〜なんでもないよ」
皆に気づかれないように着替えをする。

着替えを済ませ自転車置き場に行くと、直葉の自転車だけパンクされていた。
「なんで…こんなことを」
「あれ?桐ヶ谷…どうした?」
「あっ!先生」
顧問の多田が声をかけた。
「これを…」
「ひでぇな〜こんなことするやつは誰だ!」
「押して帰ります」
「まぁ待て…直してやるよちょっと待ってろよ」
校内に戻り、5分程でパンク修理キットを持って来た。
タイヤ一本サッと直してみせた。
「手慣れてますね…」
「チャリンコで通学と通勤してるからな、こんなの簡単なもんさ」
10分程で作業が終わり多田がこう言った。
「これな…千枚通しで刺してあるな〜怨み深いぞ」
「そんな」
「先生もな同級のやつは、ざらにあってなそりゃひでぇもんだったな〜なんかあったら言えよ相談にのるからな」
「はい…
ありがとうございます」

校門から自転車で乗ろうとすると、郷田が声をかけた。
「直葉一緒に帰ろうか…」
「うん…」
「どうした?」
さっきの事を郷田に話した。
「ひでぇな〜見つけてシバいてやろうか?」
「別にそこまでしなくても…」
「そうか…無理するなよ…」
「私先に帰るから…」
「おう!じゃあな」
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