ALO:SUGUHA-一途な想いをあなたに

□直葉の受難
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9月初め直葉の通う高校も2学期が始まり、3年生は進学か就職を既に決めてそれぞれ歩んでいる。
郷田は約2ヶ月の休学から久しぶりに登校をしてきた、だが郷田の担任はそれを良しとせず生徒指導室に郷田を呼んだ。
テーブルをはさみ担任と郷田が向かい合わせて座ってる。
「郷田…随分久しぶりの登校だな…」
「別に…家にいても暇だしな…」
「また昔のヤンチャが出たか?他校の生徒とケンカしたとこっちに入ってるが…」
「しましたが…先生には関係ないでしょう」
「お前…ほんとに郷田か?」
郷田の目の周りが黒ずみ、瞳が異様な紅い色をしていた。
「またそれか…まぁいいや…そんじゃ帰るわ」
「オイ!まだ終わってないぞ!」
「うるせえな!!」
「……!」
担任は郷田に殺されるかと思うほど、凄まれ後退りした。

剣道場
夏の剣道予選会は男子が4位女子は6位と散々な結果になり、直葉がいない女子メンバーは落ち込んでいた。
また直葉自身もアクシデントがあり道場に顔を出さないでいた、だが知らんぷりも出来ず笹田から促され下級生部員に指導だけはするように言われ道場で指導していた。

9月半ば明日の文化祭を控えて直葉達のクラスは、メイド喫茶をしていた。

「私恥ずかしい〜」
「観念しなさいって!直葉ちゃん」
メイドコスチュームに着替えさせられて赤ら顔をしてる直葉、ハート形エプロンにミニスカートで猫耳尻尾付きはさすがに恥ずかしかったようだ。
「直葉!私達もメイドなんだから、それにこのクラスだけ誰も客が来ないんじゃ寂しいからね…」
「うん…そうね…」
「さぁ…ラストスパートよ♪」
既に和人には文化祭の話をしてあるので、メイド姿を心なしか披露しようかとする自分がいた。

桐ヶ谷宅
食卓で皆揃って食事中文化祭の話が話題になった。
「直葉ちゃんメイド姿でメイド喫茶するんだって?」
「あ〜ん当日まで黙ってようと思ったのに〜」
「ごめ〜ん」
「へー…見てみたいな、スグのメイド姿」
「ほんとに?」
「ほんとさ…明日休んで行こうかな?」
「和人!それはいけないよ…」
「チェッ!」
笑い声が食卓を囲む。

食事が終わり部屋に戻る和人は早速バレン洞窟にログインしようとしていた、暫くの間閉鎖していたバレン洞窟も3日前に再開した。
まだ50層を越えた位でいつものメンバーのキリト アスナ レコン シリカが層を降りて行く。

「ね…レコン…明日直葉ちゃんの文化祭に行くの?」
「うん…シリ
カちゃんも一緒に行く?」
「直葉ちゃんに会いに行くんでしょ?」
「それもそうだけど、シリカちゃんと一緒に行くのが楽しいよ♪」
「そう?ありがとう♪」
嘘でも言ってくれただけでも嬉しかった。

文化祭当日
直葉のクラスのメイド喫茶はすごぶる繁昌していて、メイド姿見たさに男たちが沢山群がる。
そこに和人たちが明日奈に長田に綾野が直葉のクラスに訪れた。
「いらっしゃいませ♪ご主人様!」
「よ!スグ…来てやったぞ♪」
「あれ?桂子ちゃんに長田君…」
「直葉ちゃん可愛い♪」
「やめてよ…桂子ちゃん恥ずかしい〜」
「入っていいかな?直葉ちゃん」
「明日奈さんもこちらに」
テーブル席に4人座らせ直葉が注文をとる。
「ん〜オムライスとジュース4人な!?スグ」
「少々お待ち下さい」

「和人さん…直葉ちゃんに変化はありませんね…」
「そうだな…取り越し苦労だったかな?」
「でも昌君は気をつけておかないと…」
「そうだな…」
「あの昌君って…誰?」
「あっ…桂子ちゃんは知らないか、スグの彼氏でさ…」
「あっ…そうだったんだ」
「長田?」
「?…いや…そうだったんだ…ハハッ…」
「……?」

「お待ちどうさま♪オムライスです、ご希
望によりケチャップで字を書きますが…どうします?」
「じゃ…僕に♪」
長田が手を上げ直葉に催促する。
「じゃ…こうして」
伸一★桂子と描いてみた。
「ちょっと直葉ちゃん…」
「デートしてるんでしょ?」
「そうだけど…いじわるね…」
4人揃って笑い声が起きた。

しばし堪能した和人たちは帰り支度を始めた。
「じゃな…スグ早く帰って来いよ!」
「うん♪」
廊下に出た明日奈は、一言直葉に耳打ちした。
「直葉ちゃん…和人君をよろしくね…」
「明日奈さん!?」
明日奈を見送る直葉、その言葉は和人と明日奈の別れの言葉として直葉に届いた。

文化祭が終わり着替えた直葉に隣のクラスの友達が呼びにきた。
「何なの?…」
廊下に出て直葉に寄り添い友達がこう伝えた。
「こんなこと言うものじゃないけど…」
「言ってよ」
「うん…実は直葉ちゃんの彼?他の女の子と付き合ってるみたい」
「嘘よ…そんな」
「噂じゃないのよ…見た人が結構いるのよ」
「そんな…ありがとう言ってくれて、私確かめてくる!!」
「直葉ちゃん…」
郷田を見つけに廊下を走って行った。

「ありがとうね…あなた」
「これでいいの?」
「いいのよ…分かってるでしょう?」
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