ぶっく

□偶然の日のお惚気話
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『では、ボクたちがいきます』

『げ、オレもかよ』

『火神と黒子でやるの?!』

『凄く上手いですから』

『自分でハードルあげるなよ』

『よっ、待ってました!!』



黒子、火神、降旗、福田、河原

一年生が集まって何やら
部室で騒いでいるようで、

オレはちょっと、入り辛い。


「あー、伊月?」

「日向、しー!!」


部室を覗いていると、
我らがキャプテン
日向がオレの肩を叩いた。


なにやってんだ?

と、部室の扉を開けようとする
日向をオレは急いで止める。


「んだよ。」


日向は当たり前だけど
少々ムッとして、
訳を聞いてくる。


「一年が何か盛り上がってて」

「で?」

「いや、黒子と火神も混ざって
騒いでるのも珍しいし、
もう少し待っても」


正直、黒子と火神は異質な才能
オレたちには届かないものを持っている。

そのせいもあってか
黒子と火神はスタメンという
輪で話すことが多く、

一年生同士で話しているのは
珍しいことだった。



オレの言葉で日向も意図を汲み取ってくれたらしく、

わーったよ。
と、ドアノブから手を離した。



『では、いきます。
黒子テツヤ、物真似
日向先輩にギャグを聞いてもらいたい伊月先輩』


―え?!


オレは自分自身の名前が
出てきたことに驚き、
身を乗り出す。


黒子は日向役らしき火神を
見上げ、見つめている。


『では、いきますよ。』


ゴクリ、と
一年生トリオとオレたち二人は
固唾を飲んだ。


『ひゅーが、ひゅーが!!』


「「「「似てるッ!!!!」」」」


一年生トリオ加えて、
日向までもが黒子の一発芸を
称賛した。


当のオレはといえば
赤面するしかない。


あんな構ってオーラ前回で
笑顔振り撒いて
キラキラした目で日向を見ているんだから。


……それに気付いていなかったのだから


恥ずかしいことこの上ない……



「……似てる?」













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