ぶっく

□あいらぶthanks
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「まっち嫌われもんだね」


あたしはケラケラ笑いながら
爪磨きをしてる緑間に見えるよう雑誌を広げて
キセキの世代に質問!!コーナー
苦手な人は?
を指差した。


「うるさいのだよ。」


クールぶってるつもりかしらないが、苛立ちを隠しきれていないところを見ると
相当気にしてるんだなーと思う

仕方ない。
からかうのはもうやめよう
ふむ。と一つうなずいて
あたしは雑誌をパタンと閉じた


……んだけど、


「真ちゃん!嫌われ者じゃん」


大爆笑しながら部室のドアを
すぱかーんと開いたのは
紛れもなく高尾であり、
緑間の苛立ちのネタ。


「高尾……」


緑間は作業を一時中断すると
爪磨きをかたんとベンチに置いて
普段は滅多に見せない笑顔を高尾に向けた


「え、あれ地雷?」


あたふたしながら
高尾があたしに視線を寄越すので、
あたしは黙って頷いた。


「高尾?
オレは少しお前に話がある。
着いてきてくれるか?」


みごとに、着いてくるよなぁ?
と脅してる緑間に苦笑いするが
あたしも からかった方の人間なので口は挟めない。


ごめん、高尾。
心の中で合掌。

入口付近でぎゃーぎゃーやってる高尾と緑間。

あたしはそんな二人を横目に
もう一度雑誌をめくり、さっきのページを探した。

まぁ、緑間が嫌われてようと
あたしは正直どうでもいい。

だって、


「誰が緑間を嫌ってようと
あたしは緑間が大好きなわけだし。」


雑誌をペラペラとめくるあたしは気づかない。

うるさかった部室に響く音が
あたしがページをめくる音だけになったことも

二人があたしを驚きの表情で見ていることも

そのあと緑間の優しい笑顔があたしに向けられていたことも





―あいらぶゆー





......Thanks―

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