ダンボール戦機(W)(WARS)

□吸血鬼と人間
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欲しい
愛する者が欲しい
愛する者の血が欲しい



「はぁはぁはぁ」

乾く
どれだけ食事をしていないだろう
吸血鬼であるユウヤは血を飲まなければ生きていけない
だがユウヤは変わっていて誰でも言い訳ではない
ユウヤが飲めるのは愛する者の血だけ

今までは母の血を分けて貰っていた
愛する母は温かく、愛する父は優しい
両親がいればそれで良いと思っていた

だがその両親も人間に殺された
ユウヤは人間が嫌いだ
大切な者を奪った人間を憎んでいる

それから人間に近付く事はしなくなった
次第に同胞からは『食事も出来ない未熟者』として群から追い出された

「はぁはぁ…」

今まで一人で生きてきた
だがそれも限界に近い
血が足りないのだ

人間に見つからないように森の奥へと進んでいく
どうせ死ぬなら誰にも邪魔されない所が良い
更に森の奥へと進むも空腹の限界で足を崩す

「はぁ…お母さん…っお父さん」

これで愛する両親の元にいける
ユウヤはゆっくり目を閉じ、意識を闇へと委ねる


ガサッ


草が揺れ何者かが姿を現す
しかし既にユウヤの意識は闇の中

「…っ!」

眠るユウヤを見つけた何者かが慌てて駆け寄り、ユウヤをその場から連れ去る
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