ダンボール戦機(W)(WARS)

□皇帝の被害者達
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LBX専門学校と言えど、一日中LBXの勉強をしている訳ではない
本来習わなければならない基本的な知識も勉強する必要がある

只今ジェノックは数学の授業中である



被害者その2 ジェノック生徒(代表瀬名アラタ)



「ここは次のテストに出すからなぁ」

赤のチョークで書かれた数式を分かりやすく丸をし、それをノートにとる生徒達

「バン君、ここ消して良いかい」
「もうちょっと待って、まだ記入してない人いるだろう」
「分かったよバン君」

何故この人は此処にいるんだろう
確かジンはハーネスのLBXの歴史を担当していた筈

さも当然かのように黒板消しを手に持ち、バンに消しても良いかと問う

「「「「「…」」」」」

あの山野バンの授業を受けられると楽しみにしていたジェノック生徒は喜びもつかの間
次第に授業に集中する事で気にする生徒もいなくなり、皆ジンの存在を無視するようになった

そんな二人を眺めている生徒が一人

「(これがムラクが言っていた事かぁ)」

アラタはじ〜と黒板を見る振りをしながらジンの行動を見ていた

昨日のウォータイムでバトルをする前にぐったりと疲れていたムラクとの会話
始めはとっても仲の良いジンとバンの姿を想像していたがまさかここまでとは
授業そっちのけでジンとバンを観察するアラタ

「じゃあこの問題を…アラタ」
「っ!はいっ!!」

急に名前を呼ばれ立ち上がるも何をすれば良いのか分からず立ち尽くす
隣のヒカルに助けを求めるが自分で何とかしろと目をそらされ、他の皆もドンマイと苦笑いされる

「えっと……済みません聞いてませんでした」

正直に言えばやっぱりかと溜め息を付くバン
ちゃんと聞くようにと注意を受けアラタはそのまま席に座った




「ヒカル!教えてくれても良いじゃん!!」
「僕は知らない、君がちゃんと聞かないのが悪い」
「まぁまぁ」

バンの授業の事で口論するアラタとヒカル
それを止めようとするサクヤに呆れるハルキ


ガラッ


「アラタはいるか」
「ジンさん!!」


教室に現れたジンはアラタの姿を見つけると紙の束を渡す

「げっ!!」
「数式がいっぱいだな」

紙には数学の問題がびっしり書かれていた
しかし何故ジンがアラタにこれを渡すのか
嫌な予感がする

「これを明日までにやっておく事」
「え〜〜〜〜!!」

嫌な予感は的中
この分厚い紙の問題を明日までにやれとは相当無茶である
ヒカルやサクヤ、ハルキまでもがその量に顔が引きつる

「次のバン君の授業までに予習をしっかりとやるように」

そう言って教室を出て行くジン
アラタはぶるぶるとふるえだし叫ぶ

「無理だあぁぁぁぁ!!!!」
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