ダンボール戦機(W)(WARS)
□吸血鬼と人間
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「少し一人にして欲しい」
人間の言葉はユウヤの心に重く突き刺さる
このままでは何をするか分からない
目の前の人間を傷付ける事はしたくないとユウヤは思った
朝
吸血鬼であるユウヤは朝日が苦手だがこの家は森に囲まれており日差しがあまり届かない
空腹と朝という事で最悪の体調である体を起こす
「おはようございます」
「…おはよう」
おはよう
久し振りに言ったなとユウヤはぎこちなく言葉を返す
結局一人で考えても気持ちの整理はつかずそのまま朝を迎えてしまった
「ねぇ」
「はい?」
「しばらく此処に居てもいいかな」
何だか分からないがユウヤは目の前の人間から離れたくない、そう思った
それに何かが変わるような気もした
「っ勿論です!!」
人間は嬉しそうに声をあげる
得体の知れない人物を簡単に住まわせるなんて不用心だなと思いながらもユウヤは了承してくれた事にほっとする
「僕はユウヤ、宜しく」
「ユウヤさん、僕はヒロです!」
宜しくとお互いの手を握る
微かにヒロから甘い匂いがした
END