~AIWAYS LOVE~

□第一章
1ページ/4ページ



まっすぐこっちを見る綺麗な目、それから誰もがあこがれるようなさらさらの髪。
目を奪うような端正な容姿だけでなく、性格もすばらしい彼女。

俺は彼女のようにまっすぐに生きてみたい。







『第一章』







恋。

それは私の幼い頃からの夢であり、今だしたことのない新境地。
初恋もまだな私は、女友達はたくさんいるけれど男友達はこれといっていなかった。


「いけないっ、遅れちゃう!」


私の名前は、泉 永絆(なずな)。
元気いっぱいな花の女子高生である。

私の家は比較的、高校から近いところにあり徒歩で通学することが出来る。
今日はたまたま寝坊をしてしまい、その歩き慣れた通学路を走っていた。

ふと、道の端に落ちてる紺色と白の混じったハンカチ。
何気なく拾うと誰の名前も書いてはいない。
おそらく誰かの落し物なんだろうけど、如何せん今は交番に届けてる暇も無い。
そんな私はその場においとけばいいものの、そのハンカチを持ってまた走り出してしまった。


(あとでちゃんと交番に届けるから!)


なんて考えながら、走るスピードをあげたのだった。







「泉っ!今日もギリギリじゃないか!」

「すみませーーん」


今日も校門の前に立っている、すごく仲のいい体育教師の菅野誠(すがのまこと)先生に怒声を吐かれてしまった。
ちなみに菅野先生は私の担任でもある。
熱血で優しく、時には厳しいけど本当にいい先生。
そんなところを尊敬してたし、大好きだった。


「ほら、早く教室行け」

「はあい」

「まったく、あと五分早く起きればこうならないだろ?」

「二度寝してしまうんです…」

「ふはっ、わかったわかった」


しょんぼりとした雰囲気でトボトボと歩いていくと、菅野先生が私の名前を呼んだ。


「ほら、泉!」

「え、わっ!?」


投げられた小さな飴玉。
菅野先生は二カッと笑うとピースサインをした。


「ふふっ」


なんだか、それだけなのにすごく嬉しくて私もピースサインを返しながら、教室へと快闊に歩いた。






次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ