~AIWAYS LOVE~

□第一章
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「永久(とわ)、本当に大丈夫なの?」

「大丈夫だよ、母さん」


母さんは心配そうに俺を見ていた。
もともと、俺の身体はそんなに強くない。
そのせいで高校もまともに行けずに休学してしまった。

それが今日、やっと戻れるようになったのだ。
しかし半年以上休学していたため、二年生をやり直しという形になってしまったけれど。
それで十分だった。
なによりもあの寂しい病院の中じゃなく、同じ年頃の人がたくさんいるほうが楽しいに決まってる。

今から、歳が一つ下のクラスメイトになる人たちと仲良くはなれないだろうけど。
それでも、やっぱり高校生として戻りたかった。


「永久、嬉しそうね」

「そうかな?」

「ええ、いつもより顔の表情が明るいわ」


母は心底嬉しそうに笑った。
この笑顔を見たのは、いつ振りだろうか。
それくらい俺が母に心配させていたのがわかる。


「さあ、行きましょう?今日は手続きもあるから送って行ってあげるわ」

「ありがとう、母さん」

「お兄ちゃん、いってらっしゃい」

「うん、いってくるね」


妹の友里(ゆり)も優しく送ってくれた。
友里は年の離れた妹で小学六年生だ。
読書が好きでおとなしいが、少しばかり気が強い。
極度の負けず嫌いではあるが、優しい妹だ。


「あら?友里ちゃん、慎君は?」

「慎なんて知らない」

「友里、そんなこと言わないで?」

「ゆり、あの子嫌いだもん」


慎というのは、母の再婚相手の連れ子の名だ。
歳は友里とはかわらないが、どうも仲良く出来ていないみたいだった。

先ほど言ったように、母は再婚している。
それも俗に言う、金持ちだ。
たしかに、母の再婚相手もとい義父は俺の入院費を出してくれたし、いい人だとは思う。
だけどあの人の中にあるナニカ≠ェ、俺と友里は苦手だった。


「母さん、遅れてしまうよ…。友里、学校気をつけていけよ」

「うん、いってきます!お兄ちゃん」


食い下がる母を半ば引きずって、学校へ。
家の問題は絶えないが、今の俺は学校に行ける<\レだけがうれしくてたまらなかった。






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