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□第五話
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「おはよう!」
「おはよっ紫苑!!」
朝から元気な瑠依。この笑顔に元気をもらえる。
「はよっ天羽。」
教室に入るとクラスメイトに囲まれあいさつを交わす紫苑。
紫苑はその持ち前の明るさと気さくさで男女ともに人気が高い。
また、成績も優秀で先生からの人望も厚い。
「ねぇねぇ、紫苑〜」
「ん?なに瑠依?」
「またね、昨日見かけたイケメンに会ったぁー♪」
「イケメン?」
「黒の短髪で、やっぱウチの制服着てたよー」
「あっ、それ私もみたぁ〜」
「うちもうちも!かっこ良かったぁどこのクラスだろ?」
「アタシ運命感じちゃっタww」
「えぇーないない。ぜっったいない!」
「なによぉーーいいじゃない!」
「瑠依がぁー?ありえないってw」
「ひっどぉーい(`3´)」
「「「アハハハハハッ!!」」」
キーンコーンカーンコーン...
予鈴が鳴りみんな自分の席へと戻っていった。
「...。(黒の短髪でウチの制服..。明喜人くんかな?)」
紫苑は昨日会った明喜人のことを思い浮かべていた。
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キーンコーンカーンコーン...
「やっほい!昼だ飯だ!!紫苑一緒食べよー」
「うん。」
バタバタバタ ガラッ!
「遠山はいるか!!」
「ゲッ、黒田...。」
いきおいよく扉が開いたかと思うと、そこには学年主任の黒田先生がいた。
授業がおもしろく生徒からの評判もいいが、熱血で怒らすとものすごく怖い。
そんな黒田先生と瑠依とのやり取りはこれで何回目だろう。
クラスメイトも呆れたような顔をして二人をみている。
今日も黒田先生は額に怒りマークを浮かばせ教室にやってきた。
「遠山ッ!お前はまた学校の備品を壊しよって!何度言えばわかるんだ!」
「わっ、わざとじゃないんですってば!こけたときにたまたま机にぶつかって
たまたま落ちてたまたま割れちゃっただけじゃないですか!!
不可抗力ですぅーーー!!」
「そんなたまたまが何回も続くか!バカもん!!
今年で五回目だぞ五回目!!」
「...。..瑠依...そんなに割ったの?」
「うっ!だっ、だからわざとじゃ..」
「とにかく謝りにいくぞ。その後は俺がみっちりしごいてやる!」
「えっ!うそ!?待った、まだアタシ昼食べてない!」
「そんなの俺だって食っとらんわ!ったくお前のせいで
俺の休みまで削られるんだぞ!?」
「じゃーいかなきゃ..」
「却下だ!いいから早くいくぞ!俺の休みが!」
「ちょっとそれ教師がいうことぉー!?いでででッ!
ちょっ、ひっぱんな!紫苑んー!ヘルプミー!!」
「...ガンバッテネ。先に食べとくよ。」
「裏切り者ぉーー!!」
「...;;」
瑠依は叫びながらズルズルと先生に連れてかれた。