ブラコン:長編
□巻き戻しは効かない
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父から電話がきた。
『嘘･･･嘘でしょ』
父の口からは信じられない発言が聞えた。
〝残念だが、本当さ。会社倒産しちゃった☆〟
内容はあまりにも簡単なものだった。
父の経営する会社が倒産した。
現在は母と外国へ逃げる予定だとか。
『でぇ！？私どうするの！！！食事は！マンションは！！』
ガァーと携帯に叫びつける。
〝安心して！名前の面倒は全部父さんの友達の美和ちゃんが見てくれるから！〟
美和ちゃんとはこのマンションを安く提供してくれる古くからのお父さんの友達であった。
〝だから、今の部屋は手放して。美和ちゃんの子供達と共同生活になるんだけど大丈夫？〟
大丈夫って･･･寧ろそれしかない。
取り合えず、一度美和さんにあったら父の分も土下座しなければ･･･。
『分かった･･･』
〝じゃあ、そろそろ飛行機の時間だから！大丈夫！美和ちゃんもその子供も良い人ばっかだし！必ず迎えにくるから！〟
『･･･うん、いってらっしゃい』
ブツリと電波が切れる音が。
最悪です。
本当に最悪だ。まさか二日して部屋を手放すなんて。
取り合えず膝を抱えた。