Free!:中編

□時間は流れているんだ
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After the 6th






私は言われたとうり、夜七時に鮫柄に到着した。






『ど、どこから入れば・・・』





キョロキョロと入り口を探す。
勿論、昇降口等は閉まっていた。


てか、今警察の人とか来たら私不法侵入者って思われない?
どうにか来る前に入り口を探さなければ・・。





「名前」







声の主の方を向くと、凛が立っていた。





『凛!良かった〜』





タタッと私は小走りで凛の元へ。
「こっち」と小さく呟く凛、私も大人しく付いていく。






ーー・・・凛、大きくなったなぁ・・・。






目の前に広がる大きな背中。
オーストラリアに行って成長したんだなぁ・・・。
昔のほうが素直で小さくて可愛かったのに・・・。
でも、そんな事よりー・・・。
凛は冷たくなってしまった。水の中に居続けたから?
今だって、一度も私の方を見ない・・・。




『何かあった?』





そんな事言えない。
怒られそうだから。





ーー・・・何か、気分が重くなっちゃった・・・。



まぁ自分が考えすぎただけなんだけどね・・・。


しっかりして、私・・・!
別に仲が悪いってわけじゃないから!!
大丈夫、大丈夫・・・。
少し話したら昔みたいになれるって。



私は少し躊躇してから、口を動かす。




『凛、ありがとうね』取りあえず感謝の言葉を込め、話題を作った。
少ししてから「・・・別に」と素っ気無い返事。
昔だったら満面の笑顔でいいよ!とかアイス奢れよ!とか・・・。


ブンブンと自分の首を振り回す。




駄目駄目、暗くなるな私!!
凛だってもう大きくなったんだ、いつまでも子供じゃないんだから!!!




これからずっと会うんだ!!!きっとまた昔みたいに馬鹿言ってられる!








たぶん・・・。
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