Free!:中編

□タッタッ
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After the 5th








『し・・・死ぬ』




今日も今日とでしごかれた私。
もう十分すぎるほど練習した、そろそろ私の体に水が染み込みすぎてクラゲになってしまうんじゃないか・・・。



「大げさだろ、ほらラスト一本」



パンッと手のひらを叩き、まだ余裕そうな凛。



『殺す気?』



「無駄口叩いていねーで早く泳げ」


『悪魔!鬼!非道!』


「あと十秒でやらねーとシバくぞ」


『暴君!!!!』




***



初めて鮫柄で凛に会ったとき、昔みたいに仲良くなれたら良いなーなんて思ってたけど・・・。



「さっさと着替えて来い、カナヅチ」





明らかに私が思ってた関係と違う!!
何か余計に悪く?なってる気がする!
私が求めていたのは笑顔の凛だよ!あの時に凛ちゃんだよ!



「早くしろよ・・・何、お前まさか水着で帰るつもり?」



うわぁとドン引きの凛。



『んなわけ無いでしょ!!変態か!!私は!!』







理想と違う!

***



昨日と同様、私は凛に家まで送られることに。こういう事をされると優しいのか意地悪なのか分からなくなる。




中途半端な奴ー・・・。





「お前さ・・・」



不意に声をかけられドキンと心臓がはねた、まさか心の中読まれた!?




「一向に泳ぎ上手くならねぇな」



どうやら読まれていたのでは無かった、いつもどうりの凛だ。




『・・・凛が教えるの下手なんだよ』


「あぁ!?」


『嘘嘘!!ごめんってば!!』


「お前がゴチャゴチャ言わないで俺の言うとおり練習すればよぉ・・・」グギギと凛は名前の両頬を掴みあげる。



『いひゃい!いひゃい!』


「もっと体力つけろ!今日から学校まで走れ!」



『いひゃい!!!りん!!』



ベシベシと名前は凛の腕を叩くが、凛は一向に離す様子が無い。



「分かったか!?」



近所迷惑など気にせず、凛は大声をあげる。
名前も文句が言えるような状態ではないのでコクコクと首を動かす。




「よし」と凛はパッと腕を離した。




『痛ったー・・・』




名前は真っ赤になった両頬をさする。




ーー・・・悪魔だ。魔王様が降臨なさった。





「じゃあお前の家まで走るぞ」



『え!?学校行く時だけって!!』



「良いから行くぞ」タタッと凛は容赦なく名前を置いて走りだした。



『ちょっと!!!』





ーー・・・あんの魔王!!!













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