Free!:中編
□元に戻れるおまじないを教えて
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After the 4th
『よし!!』
今日からは凛に言われたとうり家から学校まで走ることに。
ちゃんとやっとかないと凛変な所で勘が良いからなー・・・。
ギュッとしっかり靴紐を結び。スタートをきった。
***
あともう少しで学校だ・・・。あの曲がり角を・・・。
『ぎゃん』
急に現れた壁に衝突し、私は反動的に尻餅をついた。
『痛っつつ・・・』
「あ、すいません・・・大丈夫ですか?」
「あー!怜ちゃん女の子泣かしたー!」
ぶつかったのは壁ではなく、スラリと背の高い男の子だった。
そしてオマケのようにヒヨコのような男の子。
『ごめんなさい、私も余所見してて・・・』
スッと立ち上がり、スカートの砂を払う。
「いえ・・・怪我してませんか?」
『大丈夫です、そちらは・・・?』
「平気です、本当にすみません」
ペコリと申し訳なさそうにメガネの男の子は頭を下げた。
『こちらこそ』私もつられるように頭を下げる。
「名前ちゃん!?」
叫び声をあげたのは、メガネの男の子ではなくオマケの男の子だった・・・。
ーー・・・て、あれ?
「な・・・渚!?」
「そーだよ!!懐かしいね〜」
ガバッと渚は私に抱きついてきた。
私も嬉しさのあまり抱き返した。
ただそれをポカンと見つめるメガネの男の子。
「渚くん・・・お知り合いですか?」
「うん!ハルちゃん達や僕のお友達」
「それはそれは・・・凄い偶然ですね・・・」
『本当に久しぶり〜、背伸びたね!』
「本当だー名前ちゃんのこと抜いちゃってる〜」そう笑う渚は昔と変わらず可愛かった
けど、しっかりと男の子として成長していた。
『え!何処の学校?』
「岩鳶高校だよ!ハルちゃんもマコちゃんも一緒なんだ!」
『へー良いな〜私も岩鳶に行けば良かったー・・・』
「本当だよー!!今ね皆で水泳部作ってね泳いでるんだ〜、怜ちゃんも同じ水泳部なんだ」
渚は怜の腕を掴み、名前に自己紹介させる。
「初めまして名前さん、竜ヶ崎怜です。」
『宜しくね怜くん』
礼儀正しい怜くん、悪い子ではなさそうだ・・・。
何かカッコ良いし。普通にイケメンさんだ。
「それより名前ちゃんさ、何で走ってたの?急がないといけない時間じゃなくない?」
『あー・・・それはね・・・』
少し恥ずかしげに名前は頬をかき、凛との練習の事を渚と怜に話した。