その他の中編

□嫌になる
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『赤林さんの右目って義眼って本当ですか?』









日曜の昼下がり、ダラダラとテレビを眺めていた赤林さんが少し驚いたようにコチラを見る。
しかし、すぐに普段通りの笑みを浮かべ。



「誰から教えてもらったの?また情報屋さん?」






まるで尋問のように黒い威圧を向け、私に質問返しする。
またやってしまった、私は今更ながら後悔した。やっぱり好奇心というものは厄介な物だ。




さて、どっちに怒っているのだろう。
それによって正しい返事をしなければより一層怖い物を見てしまう。
義眼のことー…情報屋さんこと折原さんのことー…。





きっと後者だろう。それならば。








『……………本当に義眼なんですか?』







あえて、折原さんのことは答えず。もう一度質問する。




「あぁそうだよ。で、その情報は誰から教えてもらったの?」




『…』





さらに質問返し、思わず私は言葉を詰まらせた。
あぁ、変なところで賢い赤林さんだ。無言は肯定ととられてしまうに違いない。




「また情報屋さんのところに行ったの?」



『…………・少し手伝って欲しいと言われたんで…。』




これ以上誤魔化すと後が怖いので、素直にそう答える。
もう目の前の赤林さんは“普段の彼”ではなく“本職の彼”となっていた。
目で数人殺せそうな程の力で私を一点に見つめる。


「ふーん…何かされた?」




赤林さんはテレビのリモコンを掴み、テレビの電源を切る。
音が無くなり、静寂が私を容赦なく襲う。




それからスッと膝を立て、立ち上がり私の目の前に立つ赤林さん。
180cmなどゆうに超える、その高身長。ぶわっと変な汗が背中に溢れ出てきた。





「何かされた?」












メガネの奥の生を宿っていない右目が私にこう伝えていた。































君は誰の物かな?




























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