その他の中編
□ひだりまわり
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『…。』
朝起きると何故か隣に赤林さんが寝息をたてていた。
腹立たしいことに一切起きる気配を見せず、熟睡だ。
ー…何でこの人平然と寝ているのだろう。
しかし、名無しさんは流石に叩き起こすのは出来ない。
なのでこのまま赤林を好きにさせることにした。
しかし本来ならまだ寝ている時間だが目が覚めてしまった。
名無しさんは寝るのを諦め、ベットから出ようとしたー…。
ガシッ
腹に何かが巻きつき、ギシリとベットが軋(きし)み再度ベットに戻された。
ゆっくりと視線を下に向けると、骨ばった指が私の腹部を掴んでいた。
舌打ちしたい衝動を抑え、名無しさんは首だけ動かす。
『赤林さん、離してください』
「おいちゃんまだ眠い」
『じゃあ寝てて良いですよ、私は起きるんで』
「一緒に寝ようよ」
『目が覚めたので無理です』
「横になってたら自然と眠くなるよ」
『なりません、それより何で私のベットに・・・』
「ほらまだ七時だよ、寝よ寝よ」
『赤林さん!!!!』
(殴ることないじゃない、痛いなぁ)
(目が覚めたでしょう?早く仕事行ってください)
(全く、過激な朝だよ)
(はいはい)
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