ブラコン:長編
□今日引っ越して来ました!
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ーー・・・えっと私の部屋は二階・・・。
ポチッとエレベータのボタンを押し、来るのを待った。
すると横に誰かが立った。
横目で盗み見るように見てみる。
隣の男性は眼鏡をかけておりカッチリとしたスーツ、いかにもできる≠ニいう人だった。
隣の男性は腕時計を見ていて、何か時間に押されているようだった。
ーー・・・同じマンションの人かな?だったら挨拶しておいた方が良いよね?
少し抵抗はあったももの、名前は体を動かした。
『あ、あの。いきなりすみません、今日二階に越してきた者です。』
ペコリと頭を下げる。
名前の急な行動に驚いた右京は一瞬おののくがスグに笑顔になった。
「初めまして、朝日奈右京です。今日から宜しくお願いしますね」
スッと名前の方に手を差し伸べる右京。
『はいっ!』
ギュッと右京の右手を両手でしっかりと握り返す名前。
ーー・・・順風満帆だなぁ。こんな美人さんと出会えて・・・!しかも優しそうな人だ!!
チンッ
エレベーターの扉が開く。
中にいったのは、とても似ている二人だった。
周りにはキラキラと何か輝いているものが見えた。
「右京兄ぃ!」
「右京兄さん・・・」
二人は口を揃え、驚いたように言葉を発した。
「梓、椿・・・」右京も二人の名前を呼ぶ。
どうやら三人は知人のようだ。
ーー・・・かっこいい、双子かな?
「えっ!!右京兄の彼女!?」
白髪の方、椿が名前の事を指差す。
「椿、違いますよ。彼女は今日ココに越して来たんですよ」
右京はやれやれと椿の間違いを訂正する。
「なーんだ、良かったー俺右京兄に先越されたかと思ったー」と椿は胸を撫で下ろす。