ブラコン:長編

□今日引っ越して来ました!
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ーー・・・何か、仲良しさんだな・・・。私も仲良く出来る人できたら良いなー。


名前は一人一歩後ろに下がり三人の会話を見つめていた。


ーー・・・絵になる三人だな・・・。


うんうん、と改めて思う名前、すると双子の片割れの梓が名前に近づいた。


「初めまして、梓です。何か困ったことがあった気軽に聞いて」



フワッと目を細め聖母のように微笑む梓。



『・・・初めまして、ありがとうございます』名前もニコリと笑顔で返す。


「あー!!梓!抜け駆け禁止だぞ!!」


椿が梓を押し、名前の正面に。



「俺、椿!!!よろしくな!!」




ニコニコと元気良く自己紹介する椿。



『はい、こちらこそ』


名前お負けず劣らずの笑顔を椿に送る。



「か、かっわい〜」



わなわなと椿は震え、限界がきたのかガバッと名前に抱きつく。



『わっ』反動で後ろへ倒れこむところだったが、なんとか気力で耐える。


「めっちゃ良い匂いする!!わー!!抱き心地ハンパねぇ!!!」



ぎゅーぎゅーと椿は一切力を緩めず名前を抱きしめる。



『くっ、くるし・・・』名前はポンポンと椿の腰を叩くが、椿は気にもとめず。名前に抱きついたままだった。



「「椿!」」



右京と梓が拳を握り椿めがけて振りかざした。
勿論ゴンッと鈍い音が名前の耳にも届いた。



「痛ったああ!!!」



その場にしゃがみ込み、涙目で右京と梓を睨みつける。



「やめなさい、セクハラですよ」



「止めなよ・・・まったく」



吐き捨てるように椿に言う二人。




『・・・ふぅ』



ようやく椿が剥がれ、正常な呼吸に戻った。




その後、梓さんと椿さんは仕事があるという事で別れ、私は右京さんと共に待たせすぎたエレベーターに乗り上がっていった。
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