ブラコン:長編
□自己紹介in朝日奈
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それから私は、朝日奈家の兄弟達と自己紹介を交え沢山のお話をした。
まぁこんな大勢の名前を覚えられるかどうかは心配所でもあるが、
一人一人個性があるので案外早く覚えられると思う。
「ねぇ名前は何が好き?」
ニッコニコと笑顔の絶えない椿さん。
いきなり何が好きと聞かれてもなぁ・・・。
『・・・色々です』
「色々〜?」椿さんが小首を傾げる。
うー・・・ん、いきなり言われてもなぁ・・・。
『つまり秘密です』
「なにそれ可愛い!!!」ガバッと椿さんは私を押し倒した。
『椿さん重たいし苦しい・・・』もはや椿さんの過度なスキンシップには慣れてしまっている自分がいる。
「いまのあざとい!!チョー可愛い!!」
「椿」
ぺシリと梓さんがお決まりのように椿さんの頭を叩く。
「訴えられるよ」
「えー・・・名前はそんな事しないよ!」
『しませんので、降りてください・・・』
「はいはーい」と椿さんは私から離れる。本当に梓さんにはお世話になる・・・。
きっとこれからも梓さんに助けられる場面は沢山あるだろう・・・。
「まったく・・・」
「だってさー!俺初めて見たとき名前の事マジでいいなーって思ってたのに今日から一緒に生活するんだぜ!!」
テンション上がるー!と椿さんは子供のようにはしゃぎまくった。
まぁいきなり来た私を歓迎してくれるのは嬉しいけども・・・。
「はいはい、あんまり彼女を困らせないでよ・・」
「OK!」
はぁーと長い溜め息をつく梓さん・・・。
本当に似ていて似てない双子さんだなぁ・・・。
ハハッと私は苦笑いしておいた。
「名前…だっけ?」
新しく登場してきたのはこれまた綺麗な人だった。
『は、初めまして』
「うん、僕は琉生・・・。よろしくね」
第一印象はフワフワ。
何だか琉生さんを見てると眠くなる・・・。
『こちらこそ・・・!宜しくおねが・・・』
ピタッと私の動きが止まった。
「綺麗な髪の毛・・・あと、とっても良い匂い・・」
琉生さん慣れた手つきで私の髪を一束掴み、スンッと鼻を動かす。
どどどどういう状況!?
『るるるる琉生さん!?』
自分でも不思議な程に、ろれつが回った。
それでも琉生さんは髪を離してくれなかった。
すると梓さんが琉生さんの代わりに答えてくれた。
「職業病みたいなものだから・・・」
『・・・そう、ですか』
思わず納得してしまった自分。
徐々に朝日奈家に馴染み始めてきた自分。
駄目だ、駄目だ。