ブラコン:長編
□予定は空白
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『行ってらっしゃーい』
ヒラヒラと私は高校生組に手を振る。
「行ってきまーす」
「んじゃ!」
「行ってきます」
三人はそれぞれ別れの挨拶をし、絵麻ちゃんと侑介くんは背を向けた。
祈織くんだけは一歩も動かなかった。
『・・・祈織くん?』
ーー・・・どうかしたのかな?
「少しお願いして欲しい事があるんだ」
『・・・ん?何?』
「・・・あのね、出来るだけ要兄さんと椿兄さんに近づかないでね」
その言葉はお願いというより《命令》に近かった。
サーの自分自身の体が冷たくなるのが感じれた。
「・・・ね?」
ニコリとは笑っているが、目だけは狂気に満ちていた・・・。
ーー・・・こ、怖い・・・。
『・・・はい』
コクコクと私は何度も頷くと祈織くんは満足した様子で「じゃあね」と背を向け、外へ。
パタリと扉が閉まる。
それと同時に安心感が込み上げてきた。
『・・・祈織くん』
きっと心配性なんだ。
祈織くんはとっても優しい子なんだ・・・そうだ・・・うん。