ブラコン:長編
□予定は空白
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「じゃあ何処行こうか」
マンションを下り、梓は名前に行き先を聞く。
名前は少し悩んでからー・・・。
『・・・家具見に行きたいです』
「分かった・・・じゃあこっち」と、梓が左へ進む。
「少し歩くけど我慢してね」
『あ、いえ。全然平気です!歩くの好きなんで!』
名前は拳を握りガッツポーズする。
名前の斜め上の行動に予想をしていなかった梓は思わず口元を押さえた。
「・・・ハハッ、そっか」
ーー・・・わ、笑われた!?あ。子供っぽいと思われたのかな!?
名前は何が悪かったのか渋い顔で考え込んだ。
梓はそれを見て再度笑い声をあげた。
『・・!?・・・!?』
面白い程名前は挙動不審になる。
ーー・・・な、何で!?
一層謎が深まる名前。
それに比べて愉快そうに笑う梓。
「名前ってスグに顔に出るよね・・・」
『・・・?そうなんですか・・・?』
「今だって、何で笑われてるか分からないでしょ?」
『う゛!!!』
「ほら、驚いてる」
クックッと声を押し殺し笑う梓。
『わ、笑わないでくださいよ!!!』
名前はもう何が何だか分からず、顔を真っ赤にさせながら叫ぶ。
「ごめんごめん」と梓は謝るが、変わらず口元を押さえていた。
ーー・・・梓さんって意外と愉快犯・・・?
end.