ブラコン:長編

□何かが変わる音がした
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『と、到着!!』



バタッと崩れるように名前は玄関に膝をつく。
梓はクスクスと笑い「お疲れ」と呟く。





『梓さんも今日付き合ってくれてありがとうございます、本当に助かりました!』




「良いよ、どうせ僕も暇だったから」






ーー・・・梓さん本当に良い人だな・・・!








「じゃあ荷物名前の部屋に運んでおくね」



ガサッと服や小物入っている袋を梓は持ち上げる。



『い、いえ!!!平気です!!』




バッと立ち上がる名前。




「平気だよ、どうせ通り道だし。名前も足限界でしょ?」




『流石にそこまで・・・!!』





「いいの、いいの」





そのまま梓はズカズカと進んで行った。






『あ、ありがとうございます・・・・』






もう土下座するしなかった・・・。








ーー・・・梓さん良い人を超えて神様なのかもしれない・・・・。



































「よし」






僕は名前の部屋に荷物を置き、扉をパタリと閉めた。




ーー・・・何か、予想以上に面白い子だな・・・。





今日の出来事を思い出すと笑いが込み上げてきた。






「梓兄さん?」







視線を横にずらすと祈織の姿が。





「どうかした?祈織」





少し空気がピリッとしたのが感じれた。





「姉さんの部屋だよね・・・そこ」






姉さん・・・あぁ名前の事か・・・。





「・・・?そうだよ」




そう僕がいうと祈織の眉がピクリと動いた。
祈織・・・?





「・・・なんで?」




「今日名前と買い物した時の荷物を運んであげただけだよ」




嘘偽りなく今日の出来事を祈織に報告する。





「・・・そう、良かった」





そう小さく呟き祈織は微笑んだ。
どうしたんだ・・・?







まさか。







でも・・・。









祈織が名前のこと?






まだ会ってまもないのに?








ーー・・・きっと僕の勘違いだろう・・・。












きっと
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