ブラコン:長編

□何かが変わる音がした
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「姉さん、おかえり」





靴を脱いでいたら、背後から声が。





『あ、祈織くん。ただいま』




「今日は梓兄さんと買い物に行ったんだってね?」



何で知ってるんだろう?私はそう一瞬感じたが、まぁ気にしないでおこう。
別に疚しい事はしていのだから。秘密にすることも無い。



『うん、梓さんには親切にして貰ったよ』



優しいよねーと私は続ける。
祈織くんは「そう、良かったね」と返してくれた。




『でもヘトヘトだよ、ヒールなんか履かなきゃ良かったよ』


「まぁ遠いもんね、お疲れ様」


『ありがとー!、祈織くんも学校お疲れ様』


「ありがとう、何か飲み物いれてあげるよ」


『そう?じゃあお言葉に甘えさせてもらうね〜』




私はスッと立ち上がる、しかしスグに膝をついた。




『痛った』




「・・・姉さん!?大丈夫?」




祈織くんがパタパタと私の方に駆け寄ってくれた。


『うん、大丈夫。何か本格的に疲れたのかも〜』



あまり祈織くんを心配させないように私はヘラヘラと笑って見せる。
祈織くんは少し黙ってから、手を差し伸べてくれた。




『え?』





この手の意味が分からず私は祈織くんを見上げる。





「手、握って?そしたら少しくらい楽に歩けるよね?」




『いや・・・でも・・・』




「こんな所で座ってたら皆来ちゃうよ?」




『・・・うぅん』




確かにこのまま座っていたら恥ずかしいな・・・。
しかも理由が買い物に行って足を痛めたなんて言ったら・・・。




『ごめんね』




私は祈織くんの手を握る。
祈織くんもしっかりと握り返してくれた、そして私の体をグイッ引っ張り立たせてくれた。




「気にしないで、じゃあゆっくりで良いから行こうか」


『うん、本当にありがとう・・・。こんな所祈織くんのファンに見られたら殺されそうだな・・・。』



「ははっ、ファンなんていないよ」



『えー・・・絶対いるよ』




お世辞とかそういうのではなく・・・こんなに優しくてカッコ良い。
誰がどう見ても王子様だ。
ファンがいない訳がない。




「姉さんは変だね」



『・・・そうかな?』


「うん、一緒にいて飽きないよ」


『・・・馬鹿にしてる?』


「してないよ、あのさ姉さん今度僕とも一緒に出かけようよ」



梓兄さんだけはズルイよ、と祈織くんが言う。
寧ろ私で良いのかな・・・?祈織くんの貴重の休みを私なんかと一緒で・・・。



『私で良いなら全然OKだよ?』


「姉さんがいいんだよ、じゃあ約束したからね?」


『うん、分かった。覚えておく』


うん、と祈織くんは満足そうに笑みを浮かべた。
本当に綺麗な顔してるなぁ・・・。

































ーー・・・祈織くんも甘えたい年頃なのかな?




まぁ私が来るまでお兄ちゃんしかいなかったしね・・・。
絵麻ちゃんも妹だし・・・。
お姉ちゃんに甘えたんだろうなぁ・・・。





そう思うと何だか可愛く思ってしまう・・・。





ふふっと思わず笑いが込み上げてきた。








end.





あとがき(反省)

祈織さんの口調難しいです。
中々掴めません。
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