黒子のバスケ:長編

□ときめき頂きました
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次の日、私は実家から送られてきた荷物を整理していたら玄関から物音が。
すると徐々にこちらに足音が近づいてきたー・・・。






「あれ?名前ちゃんじゃん」






扉を開け、こちらに顔を見せたのはこれから一緒に生活する高尾くんであった。



『こんにちわ、高尾くん』


「こんちわー、名前ちゃん何してんの?」


『荷物の整理だよ、結構多くてね・・・。高尾くんは今日からココに住むの?』



「うん、今日から。じゃあ俺も手伝う」



高尾くんは私の隣に座り、私の手伝いをしてくれた。



『ありがとう、助かる』


「いーえー、そういえばさ名前ちゃんは大学とか行ってんの?」


『ううん、行ってないよ。だから早くアルバイト見つけないと・・・』


「そっかー、昨日来たばっかだもんなー」


『高尾くんは?大学生?アルバイト?』


「両方」


『えっ、凄いね・・・大変・・・』



「そーでもねーよ?結構両方やってる奴いるし」


『へぇー・・・やっぱ大学生って大変だね。何処でアルバイトしてるの?』


「普通に居酒屋、結構楽しいぜ。まぁ酔っぱらいの相手とか大変だけどな」



それから私と高尾くんは色々なことを話した。
これからのことや学校のこと、バイトに趣味や苦手なもの・・・。

少しばかり氷室さんの話もしたりした。
やはり高尾くんも氷室さんのことを美形だと言っていた、高尾くんも十分カッコ良いよと言うと。
高尾くんは「知ってる♡」とおちゃらけたように言葉を返してくれた。
まるで昨日初めて会った相手だとは思わせないほど親密になってきたのが分かった。

きっと高尾くんは元々人と話すのが得意な人だったというのもあるかもしれないが、私はこれからの生活をやっていけると確信した。




○✖□





『高尾くんってバスケが好きなんだね』



「超好き!」



『ふふっ、だってバスケの話をする高尾くん凄いキラキラしてたよ?』



「キラキラって・・・俺は子供かよ」


「でも、好きなだけじゃダメなんだよな・・・」とても小さく呟いた高尾くん、横目でチラリと見ると少し悲しげであった。
私はこれ以上触れてはいけないと思い、黙ってしまった。




「そんでさ、俺と同じ学校に通ってる奴がいんだけど、それまたスゲーの」







先ほどの悲しみはどこへやら、パッと明るい笑顔をこちらに見せる高尾くん。






「超おは朝信者でいつも無理難題なラッキーアイテムを身につけててさー毎朝のメガネのかけかた、バッシュの紐の結び方・・・と、まぁ色々と可笑しな点をもつ奴がいんだけどな・・・」





その高尾くんの友達、少し変わっているという子の名前は緑間くんというそうだ。
凄いことにバスケコートの全てが射程範囲とのこと。
性格はツンデレで好きな食べ物はおしるこだそうだ。
『仲良しなんだね』と言うと、高尾くんは「大親友」とのこと。

なんだか会ってみたいな・・・緑間くんに・・・。






○✖□







『そういえば高尾くんの荷物は?私の手伝いばっかさせちゃってごめんね・・・』




気づいた頃には時間は二時間後であった。
しまった、と思い遅れながらも謝罪を含め質問すると。高尾くんは「いいよいいよ」とブレない笑みを浮かべる。





「どーせ届くの夜とかだし、全然時間もあるから気にしないで」



『そ、そう?』



「おう!だからそんな気にすんな!俺が好きで名前ちゃんの手伝いしてんだから」



『それは助かります・・・』



私は深々と頭を下げると、いーえ。と高尾くんも頭を下げてくれた。





『じゃあ、お礼に私何か作るよ。そろそろ晩ご飯の時間だし』




「マジ!?」







すると猪のようにガシッと私に抱きついてくる高尾くん。
思わず後ろに倒れかけたが、何とか持ちこたえる。






「助かるー!今節約中で飯全然食ってねーの!」





良かった、良かった。と高尾くんは私の首を容赦なく締めてきた。
ギブギブ。わりとマジな方で。




『そっ、そっか。取り敢えず離れてくれる?そろそろ息が・・・』




「おー悪い悪い」パッと高尾くんは私から両手を離してくれた。
おぉ息がしやすい・・・。




『じゃあ何食べたい?何か食べたい物でもある?』





あまり料理のレパートリーは広くないが、一応リクエストを聞いてみる。
高尾くんは口をへの形にして腕を組んで黙った。







すると玄関の呼び鈴が私達を呼んだ。
















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