彼と君の少しだけ有意義な時間

□黒尾鉄朗
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「迎えに来たよ」


『うん、傘は?』


「傘持ってたらこんなびしょ濡れになるわけないだろ?」


『私傘持って来いって言ったんだけど』


「生憎我が家の傘の骨は全滅でした」


『じゃあ何しに来たの…』


「だから、お前を迎えに来た」


『ねぇ変な冗談は止めて。だったら適当にコンビニとかで買ってから来てくれば良かったのに!真っ直ぐ私の所まで来たの?嘘でしょ?馬鹿なの?』


「雨、いつ止むかねー」


『嘘でしょおおおお!!』





























(なーんて、折りたたみ傘がありまーす)

(何で最初から使わなかったのよ、びしょびしょに濡れて・・・)

(風邪でも引いて一日中お前に看病してもらおうと)

(馬鹿だね!!大丈夫!!!お前くらいの末期馬鹿にはウィルスすら近寄らないわ!!!)





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