黒子のバスケ:長編
□目の前の幸福より自分の未来を掴め
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『それじゃあ、行って来ますね』
「頑張ってこいよー!」
「あんまり頑張りすぎないでね。気をつけて」
○✖□
「ねぇ和成」
氷室さんに名前を呼ばれ、俺は読んでいた漫画を閉じ氷室さんの方に顔を向ける。
「俺がいない間に名前に変なことしてない?」
「えええええええ、何でそう俺を疑うんですか」
「和成は見た目からして軽いからね、名前に何か良からぬことをしたのかと思ってさ」
俺の見た目から疑い始めるんですかアンタ。
服装はチャラくても結構しっかりしてません?
上下関係とかさ。しかも髪の毛なんて自前の黒髪ですよー?
「ホント、何もしてませんって。つーか俺なんかより黄瀬の方が酷かったですよ?ずっと名前ちゃんのこと抱きしめてましたし」
「黄瀬・・・?あぁ涼太か」
ほう、と氷室さんの表情に黒い影が帯びた。
あ。ごめん黄瀬。お前死んだわ。
「えっーと。氷室さん・・・」
「涼太って今日何時に帰って来るのかな」
どんまい黄瀬。お前の灰は海にでも撒いてやるよ。
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