短編

□隣人ジェラシー
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「●●●っ!」


『梓!?』しかし●●●が梓の名前を言い終える前にベットに押し倒されていた。

視界一杯に広がる愛しい人の顔。
しかしその表情は憎しみで歪んでいた、瞳には憎悪が宿っていた。

『あ、あず…』恐怖からかフルフルと肩が震える、しかし梓は容赦なく続ける。


「昨日何処に居たの…?」

『き・・・昨日?』

「とぼけないで、棗のところにいたでしょ」


ーー・・・何でそれを・・・。


言葉が何もで出ずに、キュッと唇を噛み締めた。
返事を返さない私を見た梓は「あぁ、やっぱり」と顔をしかめた。


「旦那が仕事中に浮気ね・・・しかも相手はその兄弟」


『違うの!梓!』


違う、違うアナタが思うようなことなんてしてない…!
●●●は首を必死に横に振るが、梓は聞こうともしなかった。


「たまたま見たんだよ、君が棗の家から出て行くところ・・・」


憎しむような悲しむような顔をする梓。
そんな表情をされてしまうとキュッと心臓が握られたような気がする。


「ねぇ僕達終わりなのかな…」


続けられた言葉はあまりにも不吉だった。


『そんな・・・!待って!話を聞いて!』


「でもあんな所を見てしまっても、僕は・・・」


『梓・・・』


「君を離せないでいる」


ドサッと梓は●●●の鎖骨に顔を埋める。


「棗のところなんて行かないでくれ・・・」


梓の吐息が私の耳にかかる・・・。
違う、違う・・・私は棗さんなんかより・・・。


『誤解だよ、梓・・・昨日はね棗さんから頼んだものを貰いに行ってたの・・・』


「誤解?頼んだものもの?」


梓は顔を上げ、不思議そうに●●●を見下ろす。
うん、と頷き●●●は梓から離れ自分の鞄を漁る。


『これ・・・』


カラフルなパッケージの梓に向ける。
一瞬疑問を抱く梓だが、そのパッケージには見覚えがある。


「それって・・・」何で、君が・・・。と言いたげに言葉を返す。


『そう、梓が声をあててるゲームだよ』ニコッと微笑む●●●。
しかしそれではまだ納得がいかない様子梓。


「じゃあ何で君がそれを?」


『だって梓、自分が声をあててるゲームとかアニメ教えてくれないじゃん。だから棗さんにお願いして貰ったの』


「だから・・・」徐々に頬を緩め始める梓。


『旦那さんのお仕事くらい知りたいじゃん』●●●は照れたようにはにかむ。
彼女の表情を見てようやく、梓の不安がスゥと消えた。


「●●●・・・」


梓はベットから起き上がり、小さな●●●の肩を抱く。


「ごめん・・・疑ったりして・・・」


『ううん、私も黙っててごめんね』


「いや、僕が全部悪いよ。君を疑って・・・問い詰めて・・・」


ギュッと梓は●●●を抱く腕を強める。


「もう他の男に近付かないで、離れないで・・・そばにいて」










君の一番はずっと僕でいて。










隣人ジェラシー




***



未来さんからのリクエスト13.8.25

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