黒子のバスケ:長編

□僕は少しでも長く君と生きたい
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「結構買ったね…」





名前が持つ袋には鍋の材料がみっちりと詰まっていた。
あと数秒もすればはち切れんばかりに…。





『…、だ、大丈夫です!』




原の言うとおり名前は少し買い過ぎたと後悔した。
でも、これじゃ逆に足りないくらいなんだよねぇ…。氷室さんも高尾くんも滅茶苦茶食べるから…。


あぁやっぱり家族が多いって大変…!






グッと袋を掴み持ち上げようとしたが、早くも腕がプルプルし始めた。
嘘っ!?私貧弱すぎじゃない!?




「重そ〜」




私の気など知らずに原さんはヘラヘラと笑いを浮かべてこちらを見物していた。



『くぅ…』



しかし原さんなど相手にしている暇はない。
今はこの袋を持ち上げなければならないのだ。



ミッション1、袋を持ち上げる
ミッション2、家に持って帰る




ミッション1も出来ないのにまだ2があるとは…難攻不落とはこのことか…。







しばらく袋と格闘している名前を見つめていた原は若干飽きてきたのか。スッと名前に近づいた。





「持ってあげる」


『え?』


「面白いもの見せてくれたお礼」


『いや、でも…』と名前が断りを入れる前に、すでに袋は原の手に。


あんなに重かったのに軽々と…。
それに原さんは自分の買い物袋もあるのに…。





『は、原さん…!大丈夫です…!原さんにも荷物ありますし…!』


「軟弱な名前ちゃんとは一緒にしないで、全然余裕だから」



皮肉なのか優しさなのか…。両方とれる原の台詞に名前は動揺した。
ど、どうしよう。本当は物凄く助かるけど…!!けど…!!




『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・お願いします』






私はペコリと頭を下げると原さんはまたヘラリと口角をあげ「気にすんな」と言ってくれた。
なんだかんで優しい…?





「名前ちゃんの家どっち?」


『いや・・・!流石に家までは・・・!』


「いーよ、楽できる時に楽しときなよ」


『・・・・・・・・・・・本当に申し訳ないです…!』


「大丈夫だってば」






















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