黒子のバスケ:長編
□見栄くらいはるさ
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ピーとブザーが鳴り響いた。
結果は見事勝利だった。
私と虹村さんイエイとハイタッチした。
「ちょっとあいつらの所行こうぜ」
虹村さんは私の手を掴み、ダッと走り出した。
○✖□
「お前らお疲れ」
虹村さんがチームの子達に声をかけると、子供達は眩しいほどの笑顔を虹村さんに向けた。
あ、好かれているんだなぁ…。
虹村さんは面倒見がよさそうだから納得できる。
「修造兄ちゃん!」
「うおぉぉ!修造兄ちゃんが彼女連れてんぞー」
とある男の子が大声で叫んだ。
するとみるみるうちに子供達が私達の周りに集まってきた。
「マジ!?」
「修造兄ちゃんの彼女!!?」
先ほどまでコートを走り回っていたのに、疲れなど感じさせない表情。
子供は元気だなぁと名前は呆気に取られた。
「やったじゃん!修造兄ちゃん!これで寂しくねぇーな」
「結婚式呼べよ!」
『いやいや!私は…』
「仕方ねぇーな、ご祝儀持ってこいよ」
『虹村さん!!』
子供達に悪ノリする虹村さん。
子供達は真に受けたのか、ヒューヒューと冷やかしてくる。
『ちっちがっ!!!』
ぶあああああと自分の顔が急速度で熱くなったのが分かった。
しかし言えば言うほど。子供達はからかうのを止めない。
「修造兄ちゃんとお幸せにな姉ちゃん!」
「だいじょうぶ!修造兄ちゃんは良い奴だぜ!」
「良い家庭が築けるよ!!」
『お幸せに!?家庭!??』
反論する度顔から煙が出てきそうだ。
にしても最近の小学生は凄いなぁ。
私が小学生のころは年上に全然話しかけれなかったよ…。
「まぁまぁそんなに俺の彼女をイジめないでやってくれ」
これまたえげつない発言をする虹村さん。
子供達も「はーい」と声を合わせ挙手する。
『虹村さん!!!ややこしくなるんで止めてくださいっ!!』
葉山さん、虹村さんは良い人ですが。とても意地悪で子供っぽい人でしたよ。
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