黒子のバスケ:長編

□見栄くらいはるさ
1ページ/3ページ





それから数日、虹村さんが多々出現した。
決まって彼の方から話しかけてきた。

名前は?
仕事は楽しい?…など世間話から私生活について聞かれた。



徐々に青峰くん化する虹村さん。




ーー…噂をすると彼が現れた。





「子供好きか?」



今日も虹村さんから話しかけてきた。



『はい、好きですけど』


「明日は仕事か?」


『いえ』


そっか、と虹村さんはニッと笑った。



「じゃあ暇なんだな?」


『まぁ…』


「明日の午後3時にこのコンビニの前に居ろ」


『…え?…え?』


「迎えに行くからな、3時。分かったな?」



『まっ待ってください…!どういう…』




○✖□





翌日。私は言われたとうりに待ち合わせ場所に向かった。
10分前に出たハズが、虹村さんはすでに到着していた。






『すみませんっ!遅れました…!』


「…いや、全然遅れてねーじゃん。寧ろ10分前行動は関心」


虹村さんは待たされたことを怒ることもなく、大丈夫と私に言ってくれた。
葉山さん、虹村さんはとても良い人ですよ…!


『で、その…今日は何か…?』



「言ってなかったか?」


『はい』





そーだっけ、と虹村さんは首をコクンと傾ける。
思い出して!一言も言ってませんよっ!



「近くの体育館だよ、市民会館的な」


『…?なんでそこに?』


「アルバイトで小学生にバスケ教えてんだ、小さいクラブチームだけどな」


『じゃあ今日はその試合が?』


「そ、コーチが是非ってな。一人で行くより誰かと一緒に行った方があれだろ?」




だから子供が好きかどうか聞いたのか…。
でも、誘う相手間違えてませんか?
私とあなた会って数日くらいなんですけど…。


「丁度お前が休みだって言ってたしな」


『…そうですか』


「俺の教え子達だ、良い動きするぞ」











ニカッと虹村さんは大きく笑った。
なんだか笑い方も青峰くんに似ている気がします…。






次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ