黒子のバスケ:長編

□足音を迎えに行く
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先ほどと同じように呼び鈴を押す。
するとしばらくしてからフワッと優しい香りと共にレオさんが出てきた。




「あら、名前ちゃん」



『こんにちわ、レオさん』


「遊びにきてれくれたの?嬉しいことしてくれるわね」



家入って、とレオさんは機嫌良く私に言ってくれた。
お誘いは嬉しいが、今日は私が誘いに来たのだ。



『いえ、その…今日はお願いが…』



「お願い?」







はい、と頷こうとしたらバタバタとレオさんの背中から誰かが走ってきた。







「名前ちゃん!」








勢いよく現れたのは葉山さんだった。
レオさんはベシリと葉山さんのオデコを叩く。



「あんた、バタバタ走るんじゃないわよ。下の人に迷惑でしょ?」



「だって名前ちゃんの声が聞こえたから…」


「本当に大好きね…」


「うんっ」と葉山さんは大きく頷く、よく本人の前でハッキリと言えますね…。
私の方が恥ずかしくなってきましたよ…。








「で、ごめんね名前ちゃん。お願いって何?」




葉山さんが飛び出てきて一旦会話が中止になり、レオさんがまた話を切り出してくれた。




『えっと…31日に皆で年越しパーティーをしようかと思いまして…』


「年越しパーティー?」


「うぉー!楽しそう!!!!」





キラキラと目を輝かせる葉山さん。
ペットが飼い主に強請(ねだ)るように葉山さんはレオさんを見つめる。




「良いわね、今年最後の日とこの子と過ごすのは少し味気無いしね」


「あれ?酷くね?レオ姉」


「名前ちゃん是非行かせてくれる?ちょっと騒がしいのもオマケになるけど」







オマケって俺?と葉山さんは苦笑いを浮かべる。






『はいっ!勿論です!お二人共大歓迎です!』


「そ?良かったわ」


「やったー!楽しみー!」


『でわ、また31日に!』


「わかったわ、本当にありがとうね」


「うん!俺今からワクワクしてきた!」








よし!順調!
さて、次は誰を誘おうかな…。






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