短編
□180°畝った脳
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『やっぱり、シンドバット様よりジャーファルさんみたいな人が良いです』
「それはそれは、嬉しいことを言ってくれますね」
ありがとう、とニコリと微笑み返してくれるジャーファルさん。
あぁやっぱり素敵な人だなぁ…。
こういう人には人並み以上の幸せを手にしてほしい…。
『仕事も出来るし子供好きだし…素敵な所ばっかりですね、シンドバット様みたいに女性関係に淫らじゃなさそうですし』
「分かりませんよ?私も男なので…」
え
手にしていたペンをポトリと床に落とした。
拾わなきゃ、とは思ったが体が反応しない…。
頭が全く活動出来なくなった。
そうしてジャーファルさんはイスから立ち上がる。
私の脳は警告を告げる。
ニッコリといつもどうりの優しげな笑顔を浮かべるジャーファルさん。
先ほどなら癒されるこの笑顔、今はただの恐怖の対象でならなかった。
『あ、あの…』
何か怒らせてしまったか?
そう思い、数分前の会話を思い出す。
あぁ全然だ。
思いつかない…。
そんなことを考えていれば、ジワリジワリと距離を詰めてくるジャーファル、自ずと後ずさりするとトンッと背中に壁がくっついた。
…や、ヤバイ…。
「●●●さん、いつも優しい上官だと思ったら大間違いですよ?」
『いや…その…すみません、謝りますから…』
「今更遅いよ」
狂犬に噛み付かれるまであと三秒。
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好きな子にベタ惚れされたら流石のジャーファルさんだって!
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