黒子のバスケ:長編

□殻に篭った臆病者と独裁者
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世界は案外小さくて狭い。












名前との年越しパーティーから三日後、俺はバッタリ青峰っちに出会った。
そして前回同様に飯を食べに行くことにー…。





「あの時はビックリしたっス」



「ビックリ?何がだ」



「年越しパーティーの時っスよ…」






あのパーティーにまさか青峰っち、黒子っち…そして虹村先輩までも参加していたとは…。

本当に驚いた…。







「あぁ、そうだな。俺も少しビックリした。まさかお前も来るとはな…」



「そうっスね…お互い…」








あの日、俺は無意識のうちに名前を目で追っていた。
気がつけば名前の背中を見つめていた…。




そして、いつの間にやら青峰っちが名前の隣にー…。
とても楽しそうに話していた、二人の世界という感じで混ざれなかった。
俺は只々外の世界で二人を見つめることしかー…。



その時思い出した…。あの青峰っちの言葉を…。


























(ちげぇよ、つかそんな女より、もっと良い女知ってるし)

(口うるさくて、やかましい女)

































先日会った時、別れ際に発したあの台詞ー…。
二人の仲の良さを見ていた俺は必然的に、青峰っちが言っていた子は名前だと察した…。







特別悲しいとか怒りとか沸かなかった。
あぁそうなんだ程度。




でも本人には聞けない、確かめることもできない。







もし俺の予想通り青峰っちが名前が好きだったら俺は負けそうで怖かった。
名前が盗られそうで、俺以外の他の男のモノになるのを酷く恐れた・・・。
とてもとても怖い・・・。








「お前さ」












すると今まで短い返事しか返してこなかった青峰っちが初めて話題を持ちかけてきた。
何っスか?と出来るだけ気持ちを諭されないように笑う。



引きつっていないか心配だ。












「お前さ、アイツのこと好きだろ・・・」




















たったそれだけの言葉で俺の心臓は止まりかけた。






なぜこの男はいとも容易くそんなことが聞けるのだろう。






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