黒子のバスケ:長編

□弱い子誰だ
1ページ/2ページ







「名前、君に手紙が届いてるよ…」




『ありがとうございます、氷室さん…』





どういたしまして、と氷室さんはいつもどうりの微笑を浮かべ私宛の手紙を渡してくれた。



宛名に書かれている文字がとても見慣れたモノで何故か心がポカリと暖かくなった。





クルリと手紙を反転させ、宛名を確認するとやっぱり…お母さんからだ…。





何だろうと、近くにあったイスに腰掛け。
丁寧に封を切る。

中身は一枚の紙…。
半分に折られた紙を開き、文字を追う…。


























その内容は信じられないものだったー…。






○✖□













夜の七時、お昼以降全く部屋から出てこない名前に氷室と高尾は心配になっていた。







「名前ちゃんどうしたんですかね…全然部屋から出てこないし…」



「もしかして体調でも悪いのかな?」



「体調…風邪とかですかね?と、取り合えず名前ちゃんの部屋に行きませんか?」



高尾の提言に氷室は頷き、二人は自然と早足になり名前の部屋へー…。






いざ、氷室がドアをノックしようとしたとき。
タイミングよくドアが開き、中から名前が出てきた。




一先ず大事がなくて良かった、と氷室と高尾はホッと息をついた…。


しかし、その安息も直ぐに終わった。








出てきた名前は何故か嗚咽をあげており、何故か頬には雫が…。





高尾は考えるよりも先に名前の肩を容赦なく掴む。






「どうかした!??名前ちゃん!!」









しかし、名前の涙は止まることなく…。
寧ろボロボロと勢いが増した…。




高尾は何がどうなってるのか分からず、助けを求めるように氷室を見る。






氷室も珍しく動揺を目に宿していた。
なぜこうなっているのか一切わからない…。








氷室は名前から手を離すように高尾を宥め、名前と視線を合わすように屈んだ。









「どうかした?名前」





優しく、できるだけ落ち着いた声で問いかける。
しかし、氷室の心情では黒い何かが暴れている…。
なぜ名前が泣いているのか…。
どうして、どうして…分からないことだらけが自分が泣きたい気分だ…。




それを必死に押さえ込み、名前の返事をただジッと待ち続ける。

















次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ