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□黒猫
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彼は黒猫みたいだ。
黒い髪も、
ツンツンしている所も、
仕草も全部猫みたいだ。

…とホームで読書中の彼に伝えてみたところ、彼は少しだけ不機嫌そうに本を閉じてから私を見た。
暫く見つめてから手元の拷問道具カタログを読み始める。

「ナナシの方が猫みたいよ。」

本から視線は逸らさずにぼそり、と彼はそう呟いた。
「いつもフラフラしてるから?」
少し笑いながら聞いてみたら、フェイも少し笑って応えてくれた。
「そうね、ナナシはいつもフラフラしてるからワタシが守てやるよ。」

余りに嬉しかったからフェイの綺麗な黒髪を、思いっきり抱き寄せた。

「ちょ、何するね!!!」

可愛い可愛いフェイが大好きよ、と告げると面白いくらいに真っ赤になって、小さく
「ワタシもね」
と言ってくれた。

時々びっくりするくらいに甘い所も、猫みたいだと私は思った。

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