宵の帝王
□第七夜 『大切な娘』
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「枢センパイにも言わなきゃ…!!」
零や麗センパイ、そして理事長と別れた私は、枢センパイに会いに行こうとしていた。
昨日の事を内密にして欲しいと嘆願するために。
裏門の番人にぎろりと睨まれて、軽く…いや、かなり竦み上がりそうになる身体を叱咤しながら、道を進んだ。
そして、月の寮の玄関前に着く。
朝早いし、誰もいないかなぁと一瞬思う。
だが、先程番人が私に対して“二組目”という言葉を投げ掛けてきた事を思い出し、誰かいるかもしれないと思い直した。
そして、私は見るからに重厚な扉を押し開けた。