影山さん家のお兄ちゃん

□音駒に行こう
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――○月×日(土) 午前8時56分




「着いた着いた」



俺―影山春斗は音駒高校に遊びに行くために、東京に来ていた。

ちなみに今日青城のバレー部はサボった。月曜日に岩ちゃんに会うのが怖いです、はい。



東北新幹線が通っている仙台駅から所要時間102分。近いのか遠いのかよく分からない。

だが、取り敢えず言える事はただ一つ。



“懐が痛い”



なにせ新幹線代で10590円も掛かったからだ。それに加え、仙台駅までの交通費や東京駅から音駒高校までの交通費を考えると……なぁ。



と思いながら改札を出る。



…確か今日は、久し振りに来るから迷わないようにって事で、案内役に誰かが……



「やあ」

「やっくん!!」

「久しぶりだねハル」

「ホント。最近メールばっかしだったもんなぁ」

「そうだね」



お互いの近況は、メールの文面で話すより直に話した方が断然面白い。

それにやっくんは話が上手いからなおさらだ。



「じゃあそろそろ行こうか」

「あぁ」










バスに乗車してからも会話は弾んだ。再び監督になった猫又監督の話やら、新しく入ってきた子達の話とか、話し始めるとお互いに止まらなくなる。

バスで危うく乗り過ごすところだった。



「危ない危ない」

「ぎりぎりセーフッ」



お互いの顔を見合いながら笑う。

そのまま、ケラケラと笑いながら音駒高校の門をくぐった。






(到着)
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