宵の帝王
□第三夜 『聖ショコラトル・デー<後>』
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――宵の刻 月の寮門前
「優姫」
「麗センパイ!」
「そろそろだな。私も手伝おう」
「え?いいんですか?!」
「可愛い姫のために頑張るよ」
「…//」
「さあ。始めようか、優姫」
「はい!」
優姫が声を張って叫ぶ。私もそれに続けるようにして叫んだ。
「はいはいはい。並んで並んで。そこ!フライングしないように」
「皆、きちんと風紀委員の言う事をよく守るように。じゃないと来年はないぞ?」
元気よく頷いたり、返事をしてくれる女子達。
いい子達だ。
…若いっていいよなぁと思ったのは、私だけの秘密だ。