今、再び―
□第7Q 『再会と』
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「っし。着いたな」
海常高校へと。
「急がせて悪かった。助かった大道時」
「もったいないお言葉です。…ご武運を」
「ははっ。そんな大層なものじゃないけど、ありがとう。頑張るよ」
「はい。では失礼致します」
「あぁ」
さて、時間的に皆はもう体育館の中にいるだろう。
校門の辺りは閑散としているし、何より、時間は過ぎている。
「一応、少々遅れるとは監督さんには連絡しといたし」
なんつ言いながら歩き始める。
目的地はもちろん、体育館だ。
自分がキセキの世代の面子、黄瀬涼太。
彼は、自分に何を観せるのだろうか。
噂に聞くつまらないプレイを観せてくるだろうか、はたまた面白いプレイを…。
黄瀬が誠凛にきたときの、自分への食い付きようをふと思い出した。
あれだけ食い付くなら、何らか面白いものを持っていそうだが。
もし仮にそれを持っていたとしても、それをつまらないものへと落とす者がいないことはない。
ちなみにだが、私はチームプレイができないチームはチームではないと考えている。
だから、構造さんと虹村がいなくなり、チームとして破綻した奴等のことは、正直買っていない。
確かに奴等は強い。
だが、それが何だ?
個々が個々に自分勝手に点を取る。
そんなもの、
“バスケットボール”
じゃ、ないだろう?
ま、あくまで俺の持論だけどな。